【銀魂】第七師団の人間４【神威】

手段。 ページ38

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_____お願い、そんなに悲しそうな顔をしないで


頬の涙の跡、眉間に寄った皺、赤くなった目元、今にも溢れてきそうな程潤んだ青色の瞳。

酷く寂しそうな顔の「団長」が目の前にいた。

いつの間にか私の背中に回っていた手もなくなっていて、心地よい開放感に見舞われた。
だけど、それと同時に恐怖にも駆られることになった。

私が曖昧な言葉しか言えなかったから、「団長」が遠くなっちゃうんじゃないかって。

頭に浮かんだ負の考えに呑まれそうになって「団長」に左手を伸ばした。
「行かないで」って言いたいのに言えない自分が憎らしくて、嫌いになりそうだ。

近くにある頬に触れようと伸ばしたのに、震えて出来ない。
包み込むことも出来ない私の涙腺はもう限界が近かった。

空を彷徨っていた左手は予想外にも「団長」の右手に絡め取られることになった。
私と違って骨張った大きな手に絡められて、ソファに押し付けられる。
ぎゅっとその手を握り返せば、「団長」の左手が私の右頬を包み込んだ。

「……これなら…わかるカナ」

ちょんっと鼻先が触れ合って身体が震えてしまう。
迫ってくる「団長」の綺麗な顔の瞳は近付くにつれて閉じられて、何をされるのかは想像がついた。

「…嫌？」

反射的に顎を引いてしまった私に、不安そうな声色で問いかける。



____返事をしようとしたところで私の唇は「団長」の唇によって塞がれた



本当に唇は同士が触れる程度のキス。

唇から伝わってくる熱に脳みそが溶かされそうだ。


ちゅっちゅっ、と可愛らしいリップ音が私達以外誰もいないこの部屋に響く。
角度を変えながら、啄ばむようなキスを繰り返される内に邪魔だった思考は全部消し去られていた。



絡められている手に力を込められて、しやすいように左手で顎を上げられる。
それに一切の抵抗を見せずにされるがままになっている私の気持ちなんてもうわかっているだろう。

煩い心臓を鎮めるように、熱くなりすぎた身体の熱も抑えるように意識しようとしたのに全て無駄。
溢れ出した熱は留まるところなんて知らなくて、自分から求めるように右手で「団長」の胸元辺りの服を掴んでいた。

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