【銀魂】第七師団の人間４【神威】

朝食。 ページ4

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「起きてます？」

扉の向こうから聞こえる透き通った声。
金属で出来た扉なのに此方まではっきりと何を言っているのかわかる。
きっと声が通りやすいんだろうな、と瞼を閉じたまま考えていた。

起きる気はない。
先程私は睡魔に負けたばかりなのだ。
今身体を起こせばまたあの気持ちの悪い気怠さが身体を襲って来るわけで。

「…朝食をお持ち致しましたので、開けて頂けますか？」

「菉」は自ら中に入って来ようとはせずにノックを続けている。
わざわざ朝食を私達の部屋まで運んで来てくれたらしい。

これは扉を開けに行かねばなるまいと心の中で思っても、実際の身体は微動だにしなかった。
それどころかますますベッドにのめり込み、自由が効かなくなっていく。
その内保っていた意識までもが薄れ、ノックの音が遠くなっていく。
「もう最初から寝ていたことにしよう」等と「菉」君には大変申し訳ないことを最後の言い訳として考えていた。

「…寝てらっしゃるんですね」

その声は私のすぐ耳元で聞こえた。
驚き、目をカッと開いて天井の方を見るとそこには先程までドアの前に居たであろう「菉」が私と銀ちゃんの顔を覗き込んでいた。

「…っあれ…？」

「…あぁ、おはようございます」

「菉」は私の顔を見て一瞬驚いた様な顔を見せたが、すぐに無表情に戻って挨拶の言葉を呟いた。
長い緑髪を後ろで束ねた「菉」は体勢を立て直し、私達が寝ているベッドからある程度の距離を取った。

「……さっきまで部屋の外に居たんじゃなかったっけ…？」

ゆっくりと身体を起こせば、酷く頭が痛んだので少し頭部を抑える。
よく中途半端な眠りに落ちるとこうなるのだ。
頭が割れそうな痛みに数分程襲われることになる。

「居ましたよ。朝食を持ったまま部屋の前で待機しているのはあまりにも不審だったので、中に入らせて頂きました」

「それが何か？」とでも言いた気な表情を浮かべている「菉」の辞書にはプライベートという言葉は存在していないらしい。

「…そっかそっか。ありがとーね…音がしなかったからびっくりして」

頭痛が治まった頭から手を離して、へらへらと笑ってみせる。
しかし「菉」が笑うことはなかった。


「それは貴女様が優雅に二度寝を始めたからではないでしょうか」

なんて言って、持って来てくれた私達の朝食をテーブルの上に並べているのだ。

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