【銀魂】第七師団の人間４【神威】

死にたくない。 ページ28

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_____ドンッ




「銀ちゃんっ！？」

声が聞こえることほぼ同時に先程まで隣にいた銀ちゃんの身体が宇宙船の方へ飛んで行った。
しかし、呻く間も無く飛んで行った銀ちゃんに駆け寄ることは叶わない。

地面に足を縫い付けたようだ。
眼前から漂ってくる殺気は息をすることさえ許さない。

「…『団長さん』」

目の前にはやっぱり笑うことも忘れてしまった「団長」が大きな傘を片手に立っていた。
晋助の方へ視線を遣るも、壁の陰に身を潜めて居るようで此方からは確認出来ない。
銀ちゃんも闘える状態ではないだろう。
恐らく今頃は壁に埋まってる。




_____万事休す、かな。



「…A、おいで」

その「おいで」は地獄へ引き摺り込む言葉？
私はまだ死ぬ気はない。
此処で殺されるなんて嫌だ。

まだ生きていたい。
まだこの世に存在していたい。
まだやりたいことが沢山残ってる。
まだ会えていない人がいる。

まだわからないことが沢山ある。

此処で死ぬわけにはいかないんだ。
銀ちゃんと一緒に万事屋に帰って神楽ちゃんや新八君に謝らないといけない。
お代も一杯貰ってまた、駄菓子屋に行きたい。
今この状況ではあの「隊長さん」でさえ恋しいよ。

レッグストラップに手を伸ばし小刀を抜きたいところだが、抜くなら一発が限界だと思う。
抜いてゆっくりしている暇なんてない。
抜いたらすぐに攻撃を仕掛けないとこの人には敵わない。

「…」

死ぬなら精一杯反抗してからって思ってたけど、今はまだそのときじゃないと私は思うんだよ。
だって私はまだまだ若いから。
人生これからかもしれないんだよ？

もしかしたら私は海賊王とかになるかもしれない。
石油王と結婚して玉の輿に乗るかもしれない。

「…ねぇ、A？」



心残りがあるままじゃ、死ねないみたいだ。



静かになった廊下に３回目の「団長」の声が響いたとき、私は抜刀した。
喉元目掛けて小刀を握りあの「団長」の胸元に、始めて凶器を持ったまま入り込むことが出来た。

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