【銀魂】第七師団の人間４【神威】

厨二病。 ページ22

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「…そうだったら何かあるの？」

「いや、別に何もありゃしねェよ」

１人でそんな風に納得したような顔をされても困る。
晋助は満足したのか、またグラスを手に取って何かを呑んでいた。
口から酒の匂いはしなかったし、中に入っているのはただの水だろうか。

「気になるじゃん。何の意図があって聞いたの？」

片手で晋助の着物の胸元部分を掴んで身体を引き寄せる。
厚い胸板を触って思ったのは、「何故私にはつかない筋肉がこんなにも此奴にはついているのだ」という疑問と悔しさ。
私の中では結構努力したつもりだったというのに。

そんな私の様子を見て喉を鳴らして笑った晋助は何か見下したような眼をしている。
心底憎たらしいというか何というか。
まるで子供をあやすかのように私の頭を撫でた手を払い退けた。

「…春雨の雷槍とまで呼ばれる第七師団長に傷痕を残したっつー人間の女性が第七師団に居るって噂を小耳に挟んでな。そんなとんでもねェことを遣って退けられる女はお前くれェだろ？」

「…あぁ」

そんなこともあったっけ。
数年も前の話だから私の中では大分薄れてしまっていた。
まだその「噂」というのは流れているのだろうか。

というか、晋助はその噂の人物は私だとわかっていたというのか。
何だか認められていた実力がとても嬉しい。
にやっと笑ってみせると晋助も口に弧を描いた。
そんな晋助を見て、晋助の胸元から手を離し、そのままグリグリと頭を胸板に押し付けてみれば全力で引き剥がされる。
不機嫌になったのかと頭を上げると少し楽しそうに笑っている昔の晋助が居るように見えた。

「そういえばさ、晋助」

「何だ？」

晋助と再会してからずっと気になっていることがある。
触れてはいけない部分なのかと思い、口に出さないでいたがやはり気になるものは気になる。
それに、今この雰囲気なら何を聞いても許される気がした。

「いつから晋助の厨二病はこんなにも悪化してしまったんだい？」

「斬り殺されてェのか、テメェは」

包帯の巻かれた左眼を人差し指で指して質問すると思ったより物騒な答えが返ってきた。
如何やらかっこいいから包帯を巻いているわけではないらしい。
何だ、折角揶揄ってやろうと思ったのに。

しかし、よくよく考えてみれば晋助はそういうことをするキャラではない。
何方かと言うとそういうのは銀ちゃんの方だ。

物騒なことを言いながらも片側に置いている刀に手を掛けない晋助は優しいと思った。

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