【銀魂】第七師団の人間４【神威】

再会の喜び。 ページ20

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「…いつまで迷走してる気だ」

ぽんっと私の頭の上に置かれた大きな手によって自分の思考が如何に間違った方向に向いていたかに気付いた。
何故私と晋助がコトに及ぶなんてことを考えていたのだろう。
接待の為だとしても私は身体を使うなんてことしたくはないぞ。
「そうしなければ死ぬ」と言うなら話は別だが、今はそんな状況ではない筈だ。
誰が考えたってわかる。

「このキツい酒の匂いにでも酔ったか？俺ァテメェみてェな奴の介抱なんざ御免だからな」

「違…わなくはないけど違うから！…接待について考えてたらいつの間にか変な方向に思考が巡っちゃってただけだし」

そう言うと晋助は２度目の溜息を吐いた。
目が明らかに「呆れた」と言っている。
私の頭の上に置いていた手を引き戻したかと思うと私の頬を潰すように顔面を掴んだ。

何だかこの行動さえ懐かしくて変な気分になる。

「…折角の再会なんだろ？それなら仕事のこと考えて無理する必要なんざあるめェ。テメェは昔みたいに俺の隣で馬鹿やってニヤけてんのが一番似合ってる」

そう言ってそっぽを向いた晋助は何処と無く照れているような気もした。
「再会」を喜んだのは私だけではないようだ。
晋助だって表には出していないが、心の中では軽くでも喜んでいてくれているのだろう。
それは先程の言葉を聞いた私の想像でしかないのだが、嬉しくて嬉しくて堪らなくなる。

悔しいが、私の扱いは晋助が一番手馴れているようだ。
こうも簡単に感情を操られるのは悔しいが、決して不快なわけではない。
不思議なものだ。

「……何ニヤけてんだ。気色悪ィ」

「晋助がニヤけてるのが似合ってるって言ったんじゃん？」

「誰も俺の顔を見てニヤけろなんて言ってねェ」

少し空けて座っていたが、その間も詰めて肩が触れ合う程の距離に座る。
一瞬身体を反対側に反らした気もするが離されるわけでもなく隣に座ることが了承されたようなので調子に乗って体重を預けてみた。

きちんとした再会ムードを出すことは不可能だったが、晋助と私の再会はこの程度のものだろう。

銀ちゃんやヅラのときのように再会トークが弾む筈もない。
相手はあの「鬼兵隊総督様」なのだから。

隣に居るが何も話さない。
いや、実際はただ単に話題がなかっただけなのだが。
決してそれは癒しを求めているのでも何でもなく、単純に「あたりまえ」の居場所だった。

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