【銀魂】第七師団の人間４【神威】

迷走。 ページ19

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片手にグラスを持ったまま此方を見ようともしない晋助の横顔は何かを考えているように見えた。
昔から何を考えているのかわからない人だ。
どうせ私が推測出来るようなことではないだろう。
人の先の先まで見据えているような人なのだから。
まぁ、偶に空回ってるイメージがあるけど。

「…晋助、何か接待させてよ」

「断る。お前の接待なんて受けた日にゃ命ごと持っていかれそうだからなァ」

「どんな接待を想像してるのかな？…『お酒注いだりさせてほしい』ってことだよ」

私がテーブルの上に置いてある酒瓶を片手で掴むとギロっと視線だけで制されてしまう。
如何やら私に接待させる気は更々ないようだ。
私が「接待出来ない奴」だとでも思っているのだろうか。
実際そこまで凄い接待は出来ないけれども、お酒を注ぐくらいなら出来る筈だ。
前に銀ちゃんと飲んだときに注いだこともあるし。

「…何ならさせてくれるのさ？」

「俺に聞くな。テメェ自身で考えろ」

考えろと言われても困るのだ。
接待と言われて思いつくのはお酌くらいだし、他に何かをしているイメージはない。
そういえば、私は接待らしい接待をしたことがないぞ。
勿論、受けたこともない。
そんな私がまともな接待方法なんて思いつくわけないではないか。

しかもいきなり相手が晋助みたいな奴で、出たこともないレベルの場での接待である。
無理ゲーにも程があるだろう。

こういう困ったときはお色気で如何にかすることもあるそうだが、残念ながらお色気なら晋助の方が勝っているという悲しい状況である。
それにお色気に騙される程晋助は馬鹿ではない。
しかも何か話題を振ったとしても一言で終わるのは目に見えている。
昔から晋助との会話には手を焼いたものだ。

やはり色気…ここは大人になった私を…


__________大人？


「そうか、大人の接待」

晋助なら相手にとって不足無しというやつだ。
こうなってしまった以上、身体を使うのも止むを得ないだろう。
折角ここまで貞操を守ってきたというのに勿体無い気もするが、相手が相手で仕事が仕事である。

痛いのも苦しいのも大嫌いな私の初めての相手が晋助か。
嫌な予感というか嫌な結果しか見えないのは気の所為ということにしておこう。

___絶対私が痛がっているのを見て愉しむんだろうな。

悶々と考えを巡らせる私に不審気な視線を向けていた晋助は「これは駄目だ」と言わんばかりの溜息を吐いた。

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