revolving lantern : (ページ9)

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しばらくして、スマホの充電が切れそうなことに気づき
そういえば下着も化粧品も無いし、充電器を買いに行くついでに日用品も買いに行くことにした。

「あー靴が無いのか…」

仕方なく外に出るのもホテルの部屋のスリッパを使った。
最初は視線が痛かったが、慣れれば問題ないのだ。

近くのコンビニや薬局などを周り
充電器や簡単な化粧品とシャンプーとトリートメント、クレンジングや下着など次々とカゴに入れて買い物を済ませるが、袋が思ったよりも重くホテルへ戻る道の途中で捻挫している手が痛んだ。

「あれ、Aちゃんじゃない？」

「…え、井口さんに新井さん…？」

「家この辺だっけ？…てか、なんでスリッパ履いてんの？」

新井さんが不思議そうにスリッパを見つめていた。

「実は急遽ビジホに泊まる事になったので調達を…
靴はその、色々あって無くなりました」

すると井口さんが呆れ顔でええ？と言った。

「無くなるって…というか待って、顔もどうしたの？」

「手もよく見たら怪我してるし、ボロボロじゃん。マジでどうしたの？」

これは言い訳できない…。逃げようかと思ったが、そんな体力ないしスリッパだし、なにしろ荷物すらろくに持てない。

「て、ていうかお2人こそ何を？」

「俺たちは大希の家に行くところだけど…そういやビジホって大希の家の隣にあるよね？」

新井さんがそう言うと、井口さんが確かにと言った。話をそらそうと思ったのに、言うんじゃなかった…。

*

簡潔に理由を説明すると、井口さんと新井さんが荷物を持ってくれてホテルまで送って貰うことになった。

「すみませんほんと…」

「流石にあの状況で見捨てる人居ないでしょ笑」

井口さんがそう笑ってくれたが、2人じゃなかったら声もかけてくれなかっただろう。

ホテルについて荷物を受け取ろうとすると、

「部屋まで持っていくから、まだ持てないでしょ？」

と新井さんに断られた。

「申し訳ないので大丈夫ですよ、頑張りますから」

「悪化したらどうすんの、商売道具だよ？」

「うう…」

「はいはい、部屋まで行きますからね」

強制的に2人に部屋まで持ってもらうことになった。

「病院いった方がいいんじゃない？その怪我」

井口さんがそう言うと新井さんもうんうん、と賛同した。

「それが、保険証とか家に置いてて。」

私がそう言うと、2人は声を揃えて「あらー。」と言う。
私だって気づいた時は内心、2人と同じ反応だった。