05.思ってることを伝えただけ ページ26
・
伊野尾先輩が、にやついた顔で私たちを送り出した。
伊野尾「あと１５分で講義はじまるからね、あ、光、俺ら先いっとくから」
八乙女「わーったよ、」
伊野尾先輩には口が悪い光先輩。
それだけ仲がいいってことなのかな。
やっぱり保たれる微妙な距離感。
少しつめようかな、なんて考えたりもするけど、
そんなことできる勇気、私は持ち合わせていないようだ。
ふわり、と風が吹けば、光先輩の髪がゆれる。
春だな、ゴールデンウィーク、そういえば明日からだな。
ていっても授業入ってるんだけどね。
八乙女「...Aちゃん」
A「は、はいっ」
八乙女「話あるの？」
テラス席に設けられたベンチ。
二人でそこに腰掛ける。
風が吹けば、揺れる髪。
そこからふわりと香る先輩の香り。
なんの、香水使ってるんだろう。
って、そんなこと考えてる場合じゃなくて。
A「さっき、光先輩が話してなかったの、私のせいだって思って」
八乙女「え？」
A「私が有岡先輩とか伊野尾先輩と話してたから、グループの話しちゃって」
八乙女「...」
A「そんな話、いくらでも違うときにできるのに」
八乙女「そんなこと気にしてるの？」
A「え？」
そんなこと？
そんなことなんかじゃないよ、
八乙女「気にしないで、俺は別にそこにいるだけで楽しいし」
違う、違うよ
わかってくれてないじゃん、全然。
胸のもどかしさが気持ち悪くて。
先輩を呼んだ理由が、少しずつ鮮明に見えてくる。
A「私は、先輩とも話したかった...です」
八乙女「え？」
A「せっかく一緒にお昼食べれるって楽しみにしてたのに全然喋れなくて」
八乙女「...」
A「先輩が、有岡先輩たちと話せなかったのも、悪いなって思ってます、でも」
A「私は、光先輩と話したかった...」
・
恋なんて、今までしたことがなかった。
そんな環境の下で生活をしたことがなかった。
なにをすれば正解で、なにをしたら間違いなのかも、
どうすれば、結ばれるのかも、
私は何も知らない。
時には嘘をつくことも必要だとか
おしたりひいたりする駆け引きが大事だとか
そんなの、もってのほか。
だからこの時も、わからなかった。
光先輩に言った一言が、告白に相応する言葉だったなんて。
A「先輩としか、話す気なかったのに...」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 244人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆とも☆(プロフ) - 初めまして、こんばんは。読むたびにきゅんきゅんしちゃってもうたまんないです(*´Д｀*)大好きなメンツが揃ったお話なので更新が楽しみです(^^)題名も過去形なのがどういう意味なのか、それも楽しみです(*^^*)次回更新も楽しみにしてます(*≧∀≦*) (2018年4月8日 23時) (
レス) id: 0a1f63184e (このIDを非表示/違反報告)
美香 - 初めまして！続き頑張って下さい！伊野尾ちゃんと光気になるー (2018年3月23日 22時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
真美 - 最高に面白いです!!!ズッコケ3人組が出てくるところもいいですね(笑)これからも頑張ってください!更新めっちゃ楽しみに待ってます! (2018年2月26日 18時) (レス) id: 7d06f3cc7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：も も ◎ | 作成日時：2018年2月25日 20時
