第2話「対峙」 ページ9
─NO side─
街中を移動する彼らの前方に、3人の人影。立体機動装置で移動しているのを見ると、今回の目的はあの3人のようだ。
「お、発見発見」
「行くぞ」
「了解」
3人を追いかける憲兵団と調査兵団。しかし、華麗に街中を飛び回る3人に翻弄される憲兵団。それを追い抜き、調査兵団の彼らも街中を飛び回り3人を追いかける。
すると、黒髪の小柄な男が目の前の壁にアンカーを刺すと壁を蹴り、追いかけていた調査兵団を躱した。
「わはっ、すっげ。上手いなぁ」
眼帯の女はその立体機動術の高さに、面白そうに笑った。
すぐさま方向転換をし、彼らは3人を追いかける。
「元兵士でしょうか？」
「…さぁな。でも、」
「捕まえればわかる」そう意味深な笑みで言う眼帯の女に、部下の女は「またか…」とため息をついた。
そう、いつものことなのである。彼女が時に意味深に笑みを浮かべたり、自由人だったり、ヘラヘラとふざけているアホなのはいつものこと。この女も大概、変人なのだ。
そんなことを話していると、3人は三方向に分断した。それに対し調査兵団も右と左、それぞれ部下2人が向かう。
A含め、3人が追う小柄な男は建物を上手く使い建物の中へと姿を消す。
「A」
「オーケー。…ミケー！」
「あぁ」
眼帯の女は金髪の男と別れ、髭面の男と共に建物の上を通り越し、小柄な男がやって来るであろう方向へ向かう。
小柄な男は建物の中を走り抜けると、そこへ先回りしていた金髪の男が現れ攻撃を受ける。だがそれを躱し、立体機動で街中へと消えていった。
小柄な男が屋根の下へと入った瞬間、先に髭面の男が屋根を突き破り小柄な男に仕掛ける。2人はそのまま落ちていき、下にあった荷車にぶつかった。
転がった小柄な男はすぐさま手を後ろへ付き飛び起きると、隠し持っていたナイフを取り出して髭面の男に攻撃をする。その時、ナイフで弾かれ、髭面の男が持っていたブレードの片方が宙を舞う。
それに怯む男へ追い討ちをかけるが、そこへ髭面の男の背後から眼帯の女が現れ、ナイフを弾き返す。そのまま流れるように攻撃をしようとする、が＿＿＿＿＿＿。
「！」
その時、眼帯の女は男の顔を見ると、一瞬驚いた表情をする。そこへ狙って小柄な男はナイフを突き刺す。…いや、突き刺そうとした。
─ガキィンッ！！
そんな2人の間に割って入ったのは、金髪の男だった。
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作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
