第1話「地下街」 ページ8
─NO side─
──これは、リヴァイが調査兵団に入るに至るまでのお話である。
某日。A含め、調査兵団数名は憲兵団と共にとある目的で地下街へとやって来ていた。
「…いや〜。いつ来ても薄暗いね、ここ」
懐かしむように辺りを見渡し、ハハッと笑う眼帯の女。
「来たことがあるのか？」
眼帯の女に問いかける金髪の男。
「…まぁね。昔の話だけど」
「そうか」
「Aさんが地下街に？」
そう問いかけるのは眼帯の女の部下である男。
「そうそう」
「へぇ〜！初耳です！」
キラン、と目を輝かせているのはもう一人の部下である女。
「Aは地下街出身じゃなかったはずだよな？」
彼女に問いかけるのは髭面の男。
今ここに来ているのはこれで全員である。
「うん、違うよ」
「んん？じゃあなんで…？」
「……まぁ、昔ちょっとな」
「？」
「…ほらほらそんな話どうでもいいから。エルヴィ〜ン、そろそろ」
「あぁ」
「えぇ〜！？どうでもよくないですよー！Aさん全然自分のこと話してくれないし！」
「…いつか話すよ」
「それ絶対話さないやつぅー！！」
「まぁまぁ、もういいだろ。また今度聞けよ、マナ」
「ルディは気にならないの！？」
「そりゃもちろんすげぇ気になる」
「ほら！！」
「お前らなぁ…」
まったく、とため息をつく眼帯の女。
なんやかんやあったが憲兵団が先に向かったのを確認し、金髪の男が声をかける。
「我々も向かう。作戦は先程伝えた通りだ」
「りょーかい」
彼らは立体機動装置に手をかけると、空中へと舞い上がり薄暗い街中を駆け抜けていった。
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作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
