運命に抗え、ヒトの子よ─悔いなき選択─【進撃の巨人】 (ページ5)

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〜プロローグ３〜ページ5

　
　
　
　
A「………」

もう昔のことはほとんど覚えていない。一族のこともそうだ。あれから何度も記憶を遡った。だけど、全く思い出せない。

一族によって代々受け継がれてきた、この耳の良さも…身体の丈夫さも…巨人を引き寄せるこの体質も…巨人との関係も……わからないことだらけだ。

でも、一族について知ろうにも父さんはもういない。ヴァレンタイン家のことが記されている書物も、瓦礫の下敷きだ。

もう…知る術は残されていない。

だからどうしようもないんだ。お手上げ状態。

なら、私の好きなように生きようってなったんだよな。

A「…もうちょっと教えてくれてもよかったんだけどなー、お父さん？」

私の呟きは誰にも届くことなく、静かに消えていった。

リヴァイ「──オイ、時間だ」

A「…へいへーい」

リヴァイ「…お前、ブツブツ何言ってやがったんだ？気持ち悪ぃ」

A「んだとテメェ！！」

…まぁそんなこんなで、私は自由気ままに生きているというわけさ。

巨人と戦いながら、ね。

さてと、会議が始まるようだ。

……行かなければよかったと思うまで

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿あと5分。