第32話「それでも前へ」 ページ40
─NO side─
そしてリヴァイはずっと疑問に思っていたことをAに問いかけた。
リヴァイ「……お前は、後悔してねぇのか」
A「……え」
そんなことを聞かれると思っていなかったAは目を見開き、リヴァイを見る。
そんなリヴァイもAを見ていた。目に真剣さを感じたAは、前を向いて目を伏せた。
A「……まぁ確かに、あれでよかったのか、あれが正しかったのか、…今まで何度も思ったよ。でもあの選択に、後悔はしていない。後悔だけはしないって決めたから。…それに……結果なんて、誰にもわからないんだよ」
リヴァイ「……」
そう言うと、Aは顔を上げ空を見上げる。
A「後悔したとして、何が残る？彼らの犠牲は、彼らが捧げた心臓は……一体どうなる？
…………。
……リヴァイは、後悔した？」
Aにそう聞かれ、リヴァイは少し考えると口を開いた。
リヴァイ「……そうだな。俺は後悔した」
亡き2人を思い浮かべて、リヴァイはそう呟く。
そんなリヴァイを横目で見たAは、静かに、しかし淡々と自分の“覚悟”を告げていく。
A「…でも、調査兵団に入ったからには後悔はしていられない。
仲間との別れなんて、これから先 幾度となく繰り返されていく。
仲間の死を、仲間の屍を踏み越えて…それでも前へ進まなきゃいけない。
彼らの死に意味を与えるために、彼らの死を無駄にしないために───私は、必ず巨人を絶滅させる」
「…あいつらに約束しちまったしな」そう言って笑ったAの笑顔は儚く、美しいものだった。
リヴァイ「！」
Aの言葉にリヴァイは目を見開く。“巨人を絶滅させる”…そのために戦っているAの言葉は、リヴァイの胸にストン、と落ちた気がした。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
【現在公開可能な情報】
No.5《戦う理由》
Aがこれまで失ってきた部下や仲間は数え切れないほどいる。そんな彼らに彼女は何度も約束してきた。“必ず巨人を絶滅させる”…と。それが彼女の戦う理由の根元にある決して揺らぐことのない思いなのだ。彼らの遺志を継ぎ、彼女は戦う。この“悪夢”を終わらせるために＿＿＿。たとえ、仲間の屍を踏み越えてでも…仲間の死を踏み台にしてでも……彼女の足が止まることは決してない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
