第28話「別れと後悔」 ページ36
Aside
私は声がした方へ目を向ける。そこには、イザベルだったモノの前に力なく座り込むマナの姿があった。
マナ「な、んで……イザベル……帰ったら…一緒に買い物に行こうって……約束…したじゃん……イザベルッ…！！なんでッ！！なんでっ……」
ルディ「…マナ……」
泣き崩れるマナと、そんなマナの肩に手を置くルディ。
ルディ「…っ！ファー、ラン…？」
そんなルディも、ファーランの死体を見つけると目を見開きその場に崩れ落ちた。
…あいつらは2人と仲がよかった。だからこそ、今回の別れは辛いものだろう。
A「……」
本当にこれでよかったのか。これが正しかったのか。……そんなこと、誰にもわかるはずないのに…泣き崩れる部下達を見て、私はそればかり考えていた。
でも後悔はしていない。後悔したら、何が残るというのか。彼らの犠牲は、彼らが捧げた心臓は…一体なんだったんだと、そうならないために……。
＿＿私は…後悔だけはしないと決めたんだ。
﹊ ﹊ ﹊ ﹊ ﹊ ﹊ ﹊ ﹊
エルヴィンから引き離されたリヴァイは力なくその場に崩れ落ちた。その表情は“後悔”を感じさせるものだった。あの時の、私のように＿＿＿＿＿。
両親を置いて逃げることしかできなかった時の…初めて仲間を失い、自分のせいで何人もの仲間達を死なせた時の…私と同じ……自分のした選択に後悔が一気に押し寄せた、絶望を感じさせる、そんな表情だった。
そんなリヴァイにエルヴィンが言葉を放つ。
エルヴィン「よせ、後悔はするな。後悔の記憶は、次の決断を鈍らせる。そして決断を、他人に委ねようとするだろう。そうなればあとは死ぬだけだ。…結果など誰にもわからないんだ。一つの決断は、次の決断のための材料にして初めて意味を持つ。
……壁外調査を続ける。リヴァイ、お前も来るんだ」
そう言ってエルヴィンは馬に乗り、その場を去っていった。
その背中には、一体何を背負っているのだろうか。一体、何が見えているのだろうか。
A「………」
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作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
