第24話「決意と覚悟」 ページ32
Aside
未だ降り続ける雨に打たれながら、私はエルヴィンと話していた。
A「…エルヴィン。私はもう、部下は取らない」
ルディ「！！」
マナ「！？」
エルヴィン「…なぜだ？」
A「…私といることで優秀な部下を死なせてしまう。今までだって何人死んだかわからん。私の部下になった奴はみな、精鋭ばかりだった。そんな優秀な兵士を早死にさせるわけにはいかないだろ。…もっと早く、こうするべきだった」
エルヴィン「…団長が許すとは思えないが」
A「説得する。…絶対に」
エルヴィンは少し考えると口を開いた。
エルヴィン「……それは、あの2人もか？」
そう言われ、チラッと後ろにいた2人を見ると私はエルヴィンの方を向き答えた。
A「…あぁ、あいつらには部下をおりてもらう」
私がそう言うと「ちょっと待ってください！！」という声が後ろから聞こえてきた。私はそちらに目を向ける。
ルディ「俺は…俺達は、部下をおりる気はありません」
マナ「私達はあなたの部下です」
A「…言ったはずだ。私はもう部下は＿＿「俺達は」」
ルディ「あの日、あなたに救われました」
A「………」
私の言葉を遮り、まっすぐ私の目を見据えてルディは言葉を放つ。
ルディ「…まだ俺達が新兵で、巨人とまともに戦えなかった時、あなたは食われそうになっていた俺達を助けてくれた。死を覚悟した俺達に、手を差し伸べてくれた。
“かっこいい”…純粋にそう思いました。この人のために尽くしたい……この人になら、この命…いくらだって懸けられる。この人を守れるなら、命だって惜しくない。…そう、思えた。
＿＿＿救ってもらったあの日から、俺達は…あなたについて行くと決めたんです」
マナ「…私達は、人類のために心臓を捧げると誓いました。でもそれと同時に…あなたにも、
ルディ「俺達はあなたの部下として、一生ついて行くと誓った。この命が尽きるまで…あなたのために戦い、あなたを守って死ぬなら本望です。
だからあなたがなんと言おうと、俺達はあなたの部下をおりる気はありません」
迷いのない、まっすぐな目で言い切ったルディとマナ。その目には強い意志、覚悟を感じる。…こいつらは、本気だ。
A「…………」
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作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
