第19話「迷い」 ページ27
Aside
フラゴン「…A、すまない。苦労をかけた」
A「……別に、どちらにしろ倒さなきゃいけなかったからな。それより……後ろはどうなってる？」
後ろを見ながら言うと、フラゴンはハッとしたように振り返った。そこには、巨人へ向かっていくリヴァイがいた。
フラゴン「お前らそこを動くな！！」
フラゴンはリヴァイ達のもとへ馬を走らせる。私もそれに続いた。
だが、フラゴンの命令を聞かずイザベルとファーランもリヴァイの後を追う。
フラゴン「あいつら死にたいのかッ…！！」
A「…何かあれば私が行く」
そうは言ったものの、1体を先に向かっていたリヴァイが倒し、もう1体をイザベルとファーランが協力して巨人を倒した。
ファーラン「どうだリヴァイ！！俺達で巨人を倒した！！」
イザベル「兄貴！！やった！やったよ！！」
リヴァイ「…あぁ。よくやった、お前ら」
「分隊長、彼ら…」
フラゴン「あぁ…。エルヴィンがどうしても入団させるって言ったのもわかる…」
エルヴィン「確かに、初陣にしてはいい動きだったが…ガスを使い過ぎだ。壁外では特に注意しろ」
エルヴィンの言葉に反論しようとしたファーランをリヴァイが止める。
リヴァイ「仲間達の命よりも、持ち物の節約を重視しろと？」
エルヴィン「無駄な動きが多いと言っている。…何か迷いがあるのではないのか？」
リヴァイ「っ！」
…“迷い”。その言葉にピクリと反応するリヴァイ。
A「………」
エルヴィン「それはすぐに、お前自身を殺すぞ」
そう言ってエルヴィンはこの場を去っていった。
A「(はぁ……)」
リヴァイ「……」
私は横目でリヴァイを見る。エルヴィンに言われたことが図星だったのか、驚いた表情で固まっていた。そんなリヴァイを見た私は、エルヴィンの後を追って馬を走らせた。
A「………」
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作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
