第18話「戦闘」 ページ26
Aside
馬を走らせていると、一人の兵士の声が響き渡る。
「巨人発見！！右手前方！！15m級1体！！」
マナ「近いですね…」
A「…あぁ」
「後方からも、10m級が2体！！こちらに向かってきます！！」
その声に後ろを振り向けば、2体の巨人がこちらに迫っていた。
「さらに右手前方に20m級2体！！」
キース「近いな…やり過ごすのは無理か。……応戦する！！立体機動に移れ！！」
団長の指示に、数名の兵士は立体機動に移る。
エルヴィン「フラゴン！信煙弾を！」
フラゴン「わかってる！！」
エルヴィンに言われ、フラゴンは赤の信煙弾を撃つ。
エルヴィン「A」
A「…了解だ」
私はエルヴィンに短く返事をすると、後ろにいる自分の班員達に声をかける。
私の班は少数精鋭だ。班員はルディとマナ含め、5人しかいない。
A「お前ら、ルディの指示に従いあそこの2体をやれ。…私もすぐに行く」
「「「「「了解！」」」」」
班員達の返事を聞いた私は、愛馬であるルルの上に立ちブレードを抜くと馬から飛び降り、木にアンカーを刺した。
右手前方にいた15m級の巨人に向かって飛んでいく。巨人が見えてくると、先に巨人のもとへ向かったフラゴンの隊の兵士が食われそうになっていた。
「…ぁ……」
私はすかさず巨人の背後に回り込み、うなじにアンカーを刺すとブレードを逆さに持ち、回転しながら巨人のうなじを削いだ。
──その速さは兵団1と言っても過言ではない。のちに人類最強と言われるほどの実力はこの頃からあったのだ。
「…A…班長ッ」
A「…動けるな？」
「…っ、はいっ！」
兵士が無事なことを確認すると、私は自分の班のもとへ向かった。
﹊ ﹊ ﹊ ﹊ ﹊ ﹊ ﹊ ﹊
班のもとへ着くと、ちょうどルディが目を、マナが腕を切り落としているところだった。2体とも視覚は奪われている。そこへ私は手前の巨人にアンカーを刺すと、ブレードを持ち替え、2体連続でうなじを削ぎ落とした。
マナ「Aさん！」
A「無事か」
ルディ「はい！班員、全員無事です」
A「…ならいい」
班が無事なことを確認すると、私達は立体機動から馬へ飛び乗った。
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作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
