第17話「第23回壁外調査」 ページ25
Aside
あれから時が過ぎ、ついに壁外調査の日がやってきた。カーンカーン、と鐘が鳴り響く。
キース「開門、始めーーッ！！」
団長の声を合図に、門が開かれていく。
キース「今日また一歩、我々は前進する！！訓練の成果を見せてくれ！！人類の力を、思い知らせてやるのだッ！！」
団長の声に答えるように「おーッ！！」と、兵士達が片腕を空へ突き出す。
そして、門が開いた。
キース「第23回、壁外調査を開始する！！前進せよーーッ！！」
団長を先頭に、次々と私達は馬を走らせる。壁外へ出ると、陽の光が差す青空が広がっていた。
A「……綺麗な空だな」
マナ「そうですか？」
ルディ「今日はいつもより雲が多いですね」
A「あぁ。……雨になりそうだ」
そんなことを話していると、前方を走るフラゴンの隊から「バカッ！！」という声が聞こえた。
「真っ先に死にたいの！？」
イザベル「っ、なんだよ…」
「あなた達は、まだ巨人を見たことがないからそんなことが言えるのよ。これまでどれだけの優秀な兵士が食われてきたか…」
それを聞いた私は馬の速度を上げ、イザベルの横を通り過ぎる。
A「……油断だけはするな」
イザベル「！…A？」
マナ「A、“さん”！ね、イザベル」
イザベル「うっ……」
A「…一瞬の迷いや油断は、命取りになる。たとえ巨人を倒せたとしても、ナメてかからないことだ」
私はそう言って、エルヴィンのもとまで馬を走らせた。
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作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
