第14話「昔話」 ページ21
Aside
少し歩くと、外から光が差し込むところまで来た。私はそこで立ち止まり、空を眺めながら手すりに腕を乗せる。リヴァイも私の横に立った。
A「……それで、話って何？」
リヴァイ「………」
…わかってる。リヴァイが何を言いたいのか、何を聞きたいのか。本当はわかってる。……でも、私から話すには少し気まずかった。
それを察してか、リヴァイは横目で私の方を見るとまた前を向いて話し出した。
リヴァイ「…なんで突然消えた」
A「……あぁ、そっか。リヴァイにとっちゃ、消えたことになるのか…」
なんて、呑気に考える。
リヴァイ「あの日以来、てめぇは急に来なくなった。あの日、一体何があった？」
A「………一緒に行く人がいなくなったから、かなぁ」
リヴァイ「！」
ヘラっと笑ってそう言えば、驚いたようにこちらに顔を向けるリヴァイ。私は視線を下げると、話を続けた。
A「父さんと母さん、死んだんだよね。あの日、家に巨人が来た。私は、2人に生かされたんだ」
リヴァイ「……それだと、壁内に巨人がいたってことになるぞ」
A「そう、そこなんだよ。ウォール・シーナの山奥で暮らしていたはず。なのに、巨人が来た。そしておかしなことに、そのことを知っている者は誰もいない。ずっと不思議だったんだ」
リヴァイ「…誰かに話したのか？」
A「いーや？…あ、エルヴィンには話したかな」
リヴァイ「……そうか」
A「おかげで、一族のことを知る術はなくなったわけだよ。ヤになるね」
リヴァイ「…一族？」
A「あれ？話したことないっけ？」
リヴァイ「なんのことだ」
A「…じゃあ、話すよ。私の一族、ヴァレンタイン家について＿＿＿」
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作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
