第10話「憤怒」 ページ17
Aside
少し歩いたところで、イザベルからとんでもない爆弾発言が落とされた。
イザベル「なぁー！もしかして、兄貴と付き合ってるのかー！？」
マナ「なっ…！？」
その言葉に私は足を止めた。
マナ「…も、もう！何言ってるのー？そんなわけないじゃない！ね！！イザベル！！」
イザベル「え？」
なぜかとても焦っているマナ。決して嫉妬とかいう類ではない。青ざめた顔を見ると、本当に焦っているのだとわかる。
イザベル「な、なんだよ？」
A「……誰と、誰が、……付き合ってるって？」
そう言って振り返ったAの顔は、それはもう恐ろしかった。ゴゴゴゴゴッ…と聞こえてきそうな黒いオーラを放っている。そんなAにイザベルの隣にいたマナは「ヒッ…」と声を漏らし、イザベルも息を呑んだ。
もう目から放たれる圧は、もはや殺気と言っても過言ではない。
マナはこうなることがわかっていたのだ。Aとリヴァイの険悪な雰囲気を見て、なんとなく察していた。長年、彼女の部下をやっているマナはAの性格をよく理解し、こうなることを予想していた。だから必死に止めようとしたのだ。……まぁ、もう手遅れだが。
A「いいか。私は絶ッッッッッ対にあいつとは付き合わねぇ。ただの腐れ縁だって言ってんだろ」
マナ「はい！！承知しました！！ほらもう部屋に入ろうイザベル！！ね！？！？」
イザベル「お、おう…」
マナ「お疲れ様でした！！失礼します！！」
マナはイザベルの背中を押して部屋の中へ入っていった。それを見た私は、「はぁ……」と深いため息をつくと自分の部屋へと歩き出した。
A「…………」
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No.2《リヴァイとの関係》
幼馴染であり、今では犬猿の仲。2人は幼い頃、地下街で出会った。Aの父とケニーが知り合いだったこともあり、Aは父に連れられよく地下街へ行っていた。そこでリヴァイと出会い、それ以来一緒に遊ぶことが増えた。Aが昔から何かと動けていたのはリヴァイが色々と教えていたからだという。両親が亡くなってからは地下街へ行くこともなくなり、2人は会うことはなくなった。しかし十数年越しにこうやって再会することができ、生きていることを知った2人は密かに安堵したらしい…。
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作者名：大福モチ | 作成日時：2023年10月29日 15時
