玉狛第一のお見舞い ページ19
Aside
目を開けると、白い天井。ここは病院のようだ。
A「(……死ななかったんだ…)」
傷はまだ痛むが、それほどでもない。身体を起こし、辺りを見渡す。見舞い品が結構あった。……みんな来てくれたんだ。嬉しい、ようで罪悪感もあった。心配させてしまったから。そのとき、ベッドの横にあるソファに誰か寝ているのが見えた。
A「……迅？」
ここで寝てるってことはずっといたのかコイツ……。まぁ、コイツにはたくさん心配かけたもんな…。死ぬって未来が見えてたのに、それでも私は体張って守ろうとした。起こすのは悪いと思って、近くにあった私の上着を迅にかける。
A「ん？」
見舞い品の中に大福が見えた。私はそれを取り、口に入れた。
A「うん、美味い」
……コイツに病人だという自覚はあるのだろうか。
黙々と食べていると、病室のドアが開いた。
小南「Aは…本当に大丈夫よね？」
木崎「大丈夫だ。迅が死なないと言っている。目を覚ますさ」
烏丸「確か、今日で3日目ですよね」
小南「……そんなことわかってるわよ」
病室に入ってきたかと思うと、3人は固まった。
A「よっ、久しぶり」
片手を上げてヘラッと笑ってそう言うと、小南が泣き出す。
小南「…うぅ……Aーーーーッ！！！」
A「エ"ッ」
小南が突進してきた。ギューッと抱きしめられる。いや私怪我人な？？？
A「ちょ、小南…痛い」
小南「バカッ…！！Aのバガァァァ…！！」
A「えぇ…」
バカって連呼されてるんだけど…泣いていい？？
木崎「お前…大丈夫なのか？」
A「うん」
烏丸「いつ起きたんすか？」
A「マジでついさっき」
烏丸「元気っすね」
A「そう見えるならお前の目はおかしい」
烏丸「そうですね。先輩が人間に見えません」
A「おいコラ」
それからは3人と、主にレイジさんと京介と色んな話をした。私が倒れてからのこととか、色んな人がお見舞いに来てくれたとか、みんなすげぇ心配しているとか。さっきから小南に抱きしめられてるんだよね。そろそろ離してほしい。私が死にそう。すると騒がしがったのか、迅が起きた。そりゃそうだ。小南はずっと泣いてるし、私と京介はいつもみたいにボロクソに言い合ってるし。
迅「んん…」
A「迅。おはよ」
迅「……は？」
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作者名：大福モチ | 作成日時：2022年11月3日 13時
