大悪魔 ２２ ページ26
私は机に置かれている手鏡を持つ。
すぅっと息を吸い、呪文を唱える。
『
すると、手鏡は宙に浮き、大きくなる。
『相川真冬の映像を見せて』
そう言うと、鏡は色を変え、今の映像を映し出した。
『…っ！』
…運が悪かったのか、私は…
映し出された映像は…
まふと佐々木真紀が、
【キス】
をしている映像だった。
『…まふが…、キス…』
何故か心がえぐれそうだった。
そっか…私が居なくなって、真紀とキスが出来るまで行ったんだ…。
じゃあ、私は…。
『まふにとって…、要らなかったんだね…』
頬に何かが伝う。
『…ふふっ、私って、バカなのかな』
流れていたのは、涙だった。
『こんなの見てから、自覚するとか…』
思えば、会った時から好きだったのかもしれない。
あのドクドクとした気持ちの正体が、これだったなんて…。
『…泣いたって、仕方ないじゃん…。
もう私はまふのところに居られないし、まふに気持ちも伝えられない。
まふ、真紀と頑張ってね』
私は涙を拭いて、呪文を唱えた。
『
すると、手鏡は元の姿に戻った。
私はソファから立ち上がる。
カランッ…
『え？』
何かがタイルの床に落ちた。
『これ…』
ポケットから落ちたのかな。
それは私がまふから奪った私との記憶だった。
私はそれを拾い上げる。
『…まふには、こんなもの要らないもんね』
私は部屋の奥にある滅多に開けない扉を開け、中に入った。
その部屋は、今まで契約した者たちの代償を保管する部屋。
契約者達は様々な者を望む。
時に金、時に愛、時に民を。
そんな者達の代償が保管されている。
それらは魔力によって作られた箱に綺麗に保存されている。
私は、今まで奪った記憶の箱を開けた。
青い記憶、黒い記憶、黄色い記憶、赤い記憶…。
記憶には様々な色や形があり、人によってそれは違う。
四角い物、丸い物、細長い物…。
だがそれらの記憶のほとんどは、醜く歪んだ色。
『…あ、もういっぱいだ…』
仕方がないので、何か別の物を探す。
棚を見ても様々な代償が飾ってあり、なにか入れるような物はない。
他の場所を探していると、一つの瓶があった。
赤いリボンで結ばれていて、装飾の綺麗な瓶だった。
『…これにしよう』
私は、瓶の蓋を開け、まふの記憶を入れた。
まふの記憶は、一切の歪みがない、赤い綺麗なひし形の記憶だった。
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織姫 - 三國おと♪さん» おとさん！いっぱい見てくれてありがとうございますー！時間見つけて更新するのでお待ちください！でも頑張ります！ (2018年12月28日 0時) (
レス) id: 4778a94982 (このIDを非表示/違反報告)
三國おと♪ - 大王だって？じゃあお姫様じゃんw頑張ってください！ (2018年12月17日 21時) (レス) id: bd02d20487 (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - リノさん» 返信がだいぶ遅れてしまい、申し訳ありませんでした。ありがとうございます！更新できるように頑張ります！ (2018年7月10日 23時) (レス) id: 4778a94982 (このIDを非表示/違反報告)
リノ - 面白かった。続き読みたい。 (2018年6月7日 21時) (レス) id: 09f301a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：織姫 | 作成日時：2018年4月6日 9時
