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お前たちは今日から防弾少年団だ、と。
そう言われた八人が横に並んでいた。
最年長なんかは少し落ち着いてもいたけれど、大抵は垢抜けない子どもの表情で、けれどこれから過酷な芸能界を生き抜こうとそれなりの覚悟を持った面子が。
そうだな。そう。俺はその時から疑問だった。
お前みたいなやつがどうしてここにいるのか。
長い前髪がふわりとうねって、垂れ目が少し覗いていて。下唇を柔く噛んでいた。二番目の兄にも劣らない白い肌は頭と手以外の一切の露出を許さんばかりに覆われていた。
言い方は悪いがアイドルを志そうと思う者は、少なからずナルシストな面がある。
俺だって人見知りは少しあったけど、多少ルックスには自信あったし。
けど、お前は。
自分に向く目を全力で躱そうとするような雰囲気ばかりがあって、一瞬気を抜けば空気に紛れて消えそうだった。
言ってしまえば、暗い。
歌って踊って笑顔で写真に写る人間とは到底思えないオーラに包まれて俯いていた。
プロフィール聞いた時は余計に驚いた。
こいつ同い年かよ。背は高いんだな。モデル体型ってやつ？ へぇ、
日本人なのに。
侮蔑の意味はなかった。しかしその言葉がぐるりと脳から胸、身体中を巡って目元にでもやってきたのだろうか。
そいつは、Aは俺の視線に怯えるように肩を震わせ、ふいと目を逸らしたのだ。
……妙に凹んだ。
◇
年が同じというだけで何かと同じになって、ご飯を食べる時の隣もAだった。
器は置いて食べていた。
一人の時間になるとすぐに私物の本を読み漁る。
小説、漫画、雑誌、参考書。種類は多岐に渡って、韓国語の本も読んでいた。傍らには必ず辞書。
服はいつもどこのなのか知れない服を着ていた。
たまにブランドもの。意外と高いやつ。休みの日には無地の服を数枚買って、アクリル絵の具で彩飾していたりもした。
そして誰より寡黙だった。
まるで一言も話さない日がほとんどだった。
人のこと言えないけど。
積極的に関わりを断つ俺とは違って、人の間にいながらもほとんど話を続けない。
寝るのは早くなかった。怒られない程度にどこかを彷徨していた。
あととにかく前髪が長くて、唯一会話が多かったナムジュニヒョンにからかわれていた。
「散髪屋行けよ」って髪をわしゃわしゃされてくすぐったそうに笑う姿は急に年相応だったんだ。
ちょっと羨ましかった。素直に認めておく。
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触 - 性被害後の処理の方向が驚きでした。完結までもっていってくださりありがとうございます。お疲れ様でした。 (2021年8月5日 3時) (
レス) id: 95434f44d3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼく(プロフ) - 虞犯少年さん» リクエストさせて頂けて光栄です、新しい作品の方も毎日毎分まだかまだかと更新楽しみにしております(笑) (2019年1月3日 16時) (レス) id: a099ebec59 (このIDを非表示/違反報告)
虞犯少年(プロフ) - 猫わかめさん» そんな素敵な言葉をいただける作品を書けたことを嬉しく思います。読んで下さりありがとうございました。 (2019年1月3日 14時) (レス) id: 3f60c9b07f (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 感動しました。次へ、次へと、手が止まりませんでした。素敵な小説をありがとう。そして、完結お疲れ様でした (2018年12月31日 17時) (レス) id: abf16c0298 (このIDを非表示/違反報告)
虞犯少年(プロフ) - ぼくさん» ありがとうございます。まさにそう思われる作品を目指していたので、本当に嬉しいお言葉です。いいですね、短編でやってみたいです。 (2018年12月29日 14時) (レス) id: 3f60c9b07f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虞犯少年 | 作成日時：2017年10月7日 22時
