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「──そうそう、Aさんは神秘的、というイメージがありますよね」


やばい、ぼーっとしてた。
ハッとしてから前にいる女性インタビュアーを見る。彼女は目を輝かせて僕に話を振った。

ダンスレッスンの次の予定は雑誌の取材。
それぞれ丸椅子に座って、話を受ける。

切れ長の瞳が僕を写していることに少し緊張して、居住まいを正してから答える。


「そ、そうなんですか?」

「サイン会での的中劇は有名じゃないですか!」


サイン会での的中劇。僕にポストイットを差し出した人に「悪い夢、見たの?」と聞いたのが始まりだった。
相手を見て思うことを口に出すと、当たっているらしくて名物化しているとかなんとか。

サイン会の時ってたくさんのカメラがこっち向いてて緊張して、結構所々記憶無いからよくわからない。


「Aは不思議な子だから」ジミニヒョンが微笑みながら言った。「Vの四次元とはちょっと違う不思議くん」

「おれよく四次元って言われるけどそんなにだとは思ったことないんですよね」

「よく言う」


僕の話題から逸れてほっとする。変わってる変わってないの話なら、ここの人はみんな変人だ。僕を受け入れてくれた時点で、きっと普通じゃない。天才って意味でも、普通じゃない。

僕は考えていることを脳内で文章にしてしまいがちだ。今もこうやって文字を並べているから、インタビュアーの話はあまり頭に入ってこない。


「防弾少年団は皆さんとても仲がいいことも、人気を博した理由の一つだと思います。人と仲良くする秘訣があるのでしょうか?」

「お互いの面倒を見る、とか」ジニヒョンは何か機嫌が良さそうで、その楽しそうな声に意識を引き戻された。

「宿舎生活が長いからかもしれません」僕は個人的に、インタビューでのナムジュニヒョンの応対が大好きだ。

「マンネが人見知りと人見知りだったから、最初は大変でしたよ〜」


そして話の対象が自分になったと気づいたや否や、僕は緊張して柔く唇を噛む。


「ジョングクは顔合わせようとしないし、Aは話しかけてもしどろもどろだし、ヒョンのほうが困惑しっぱなしだよ」


あはは〜、と苦笑いしか返せない僕の代わりにジョングクが色々突っかかってくれているので、僕の出番はしばらくなさそうだ。

僕は喋るのが上手じゃないから、やっぱりジョングクがいないと息すらできない。


_____

この話は一貫して読者に「Aがどういう人間か」を伝えるだけの話です。

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- 性被害後の処理の方向が驚きでした。完結までもっていってくださりありがとうございます。お疲れ様でした。 (2021年8月5日 3時) (レス) id: 95434f44d3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼく(プロフ) - 虞犯少年さん» リクエストさせて頂けて光栄です、新しい作品の方も毎日毎分まだかまだかと更新楽しみにしております(笑) (2019年1月3日 16時) (レス) id: a099ebec59 (このIDを非表示/違反報告)
虞犯少年(プロフ) - 猫わかめさん» そんな素敵な言葉をいただける作品を書けたことを嬉しく思います。読んで下さりありがとうございました。 (2019年1月3日 14時) (レス) id: 3f60c9b07f (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 感動しました。次へ、次へと、手が止まりませんでした。素敵な小説をありがとう。そして、完結お疲れ様でした (2018年12月31日 17時) (レス) id: abf16c0298 (このIDを非表示/違反報告)
虞犯少年(プロフ) - ぼくさん» ありがとうございます。まさにそう思われる作品を目指していたので、本当に嬉しいお言葉です。いいですね、短編でやってみたいです。 (2018年12月29日 14時) (レス) id: 3f60c9b07f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虞犯少年 | 作成日時:2017年10月7日 22時

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