25 ロッヂ ページ25
先程も行ったように、ロッヂは時代に取り残された街だ。ニューヨークとニュージャーシーの間にある街。
流行らない原因としては、ハリケーンが最も直撃しやすいというのもあるが、店を出すなら経済の中心地であるニューヨークという人も多い。かと言って海に面するニュージャーシーはどうなのかというと、ロッヂの隣にあるニューアークが栄えてしまっている状況だ。
ロッヂはベッドタウンの面積が広く、店も出しづらいのかもしれない。キャロルとジェームズがつけた発信機を機械にかけると、2−ベッドタウンの傍らにあるビルの地下クラブに2つ共があった。予想通りだった。
俺達は久し振りにコンビニではなく、ファミレスで食事をした。そこしかなかった。勿論、俺の奢りだ。発信機の場所が動かないように、ぱぱっと食事を済ませる。久し振りに食べたチキンは玉ねぎのしょっぱいソースが美味だった。
ロッヂの駅の長期駐車場を使用し、そこからクラブまで歩いて行く。ジェームズとビアンカは車に取り付けた発信機を回収するそうで、クラブの駐車場で降ろす。古ぼけたビルの横に4〜5台の駐車場があり、そこにボックスカーとオンボロ車は仲良く駐車されていた。
キャロルと俺は10分程の道のりを歩いていた。歩道はデジタル式になっていて、青くてゴツい機械のようなものが車線とを分けていた。これが取り付けられてから、子供の安全が守られ、自転車事故も大分減ったらしい。そして、誰が歩いているのかも機械が認識している。歩いている俺達の横を、車が音をたてずに走って行く。
そういえば、こんな風に2人で並んで歩いたのは久し振りかもしれない。――いや、考えている以上に長い年月が経っているのかもしれない、と気付く。キャロルのデニム生地の上着越しに先程からカチャカチャと音が。
コルトパイソンのシングルアクション。キャロルは右手と左手、同時に拳銃を握れるのだ。俺は両手を使うと焦点かブレてしまうため、片腕ずつでしか撃てない。
「キャロル。無理しなくていいからな」
「心配しなくても大丈夫よ。私には貴方がいるもの」
「まあ……。お前のやりたいように仕事しても今回は許すよ。再デビューなんだから」
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あに(プロフ) - いえいえ。こちらこそ、お忙しいところ申し訳ありません。 (2015年11月1日 10時) (レス) id: b6e044a433 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - あにさん» ありがとうございます。私もコイツらのこと好きです(°▽°)/あに先生の小説の評価、遅くなって申し訳ありません。これから暫く暇になると思うので一気読みしますb (2015年11月1日 8時) (レス) id: 6298628eb9 (このIDを非表示/違反報告)
あに(プロフ) - キャラクターの台詞がとても好きです。そして、映画を見ているような感覚です。文を読むとその場の様子が浮かんできて、感動しました!このサイトではめったにこういう作品と出合うことがめったにないので……。 (2015年11月1日 0時) (レス) id: b6e044a433 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 阿吽さん» コメントありがとうございます(*´∇`*) 今振り替えると、文の羅列ばかりで配列に工夫がないような……。でも今のバランスなければ凄いという言葉は出ないはず。難しい所ですね。 読んでくださってありがとうございました! (2014年11月5日 23時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
阿吽(プロフ) - 凄い…!!あ、イベントに参加登録してくれてありがとうございます!!!! (2014年11月5日 23時) (レス) id: e6f590558d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作者ホームページ:https://twitter.com/seshiru777777
作成日時:2014年8月7日 15時