3.洋装店で ページ3
自分の採寸が終わり､ドラコの方へ歩いて行くと、まだ終わっていない様で､何やら見知らぬ男の子と話をしていた｡
雰囲気からして友達じゃ無さそうだ｡
少し会話を聞いていると､また純血のみをホグワーツに入れるべきだ､なんて声が聞こえて来た｡
それ自体はいい｡いつものことだし､自分に対等な友達が出来なくなるだけだし､え？冷たい？こんなもんでしょ。
問題は話している相手の子だ｡
どこかで見たことが…いや、聞いたことのある見た目をしている｡
黒髪でボサボサ､メガネに……極めつけは先程から見え隠れしている稲妻形の傷｡
間違いないハリー・ポッターだ。
あの御方の襲撃を受けたにも関わらず生き残り､英雄と呼ばれている男の子｡
そうと分かれば話しかける他選択肢は無い。
将来､どちら側に付いたとしてもハリー・ポッターという人物との良好な関係は便利な鍵になる。
『ちょっとドラコ､失礼な言い方は辞めなさい｡
あと､先程話が聞こえたのだけれど｡
そういう思想は私も理解しているけれど､初対面の人に話す内容でも､口調でも無いわ｡』
ドラコは目を見開き驚いているようだった。
それもそのはず､今まで私は両親やドラコの過激な純血主義には全く口を挟まず､むしろそれが良いものだと思っている様に見せてきたのだから､私の口からそんな言葉が出ると思っていなかったのだろう｡
そのあと男の子の方に顔を向け､
『兄がごめんなさい｡不快な思いをさせてしまったわよね……』ととびきりのキュートフェイスで言った。
すると、
ﾊﾘｰ「いっいや、大丈夫だよ､全然｡」
とのことだったのでお言葉に甘えてありがとう！と応えた
『貴方もホグワーツに入るの？奇遇ね､私達もなの｡』
奇遇､なんてことはない､ただそうやって言った方が私達は特別なのだと相手に思わせる事ができる｡
つまり､私達と友達になれるチャンスなんてもうないよ､と
そこまで言ったところでドラコの採寸が終わったようだったので手短に｡
『またホグワーツで会ったら､仲良くしてくれる？』
ﾊﾘｰ「もちろん！またホグワーツでね｡」
『行きましょう､ドラコ』
ドラコは何か怒りでもしているような眼差しでこちらを見ていたけれど､理由は話すから許して、と視線を送ると諦めたのかこちらに付いてきてくれた｡
お会計を済ませハリー・ポッターに手を振りながら店を出た｡
店を出て最初に口を開いたのはドラコだった。
ﾄﾞﾗｺ「おい､どういうつもりだ｡」
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作者名：まりっぷる🍏 | 作成日時：2023年5月21日 22時
