事故に遭って男になったら何故か愛されるんだが【オリジナル】 (ページ4)

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【第三話】母と朝ページ4

怠い体を起こして、新しく支給された男用の制服へ袖を通す

まだ変わり切っていない体には少し大きかったが、妙にしっくりときた

自室から出て階段を下る

歩きなれた床の感触。この家は何も変わっていない。違うように見えるだけだ

リビングに行って机に乗せられた朝食を見る

いつも通りのトーストとコーヒー。そして家事をしている母の姿

「おはよ。母さん」

声をかけるとこちらを振り向いて、驚いた様な安心した様な顔をする

「何よもう〜。びっくりしちゃったじゃない。イケメンさんになっちゃって」

「学校は行くことにしたのね。体が慣れるまで安静にしてた方が良いってお医者様は言ってたけど…」

少しだけ心配した様な声色で訪ねてくる。いつもと変わらない様子で安心した

「まだそこまで変化があるわけじゃないし。大丈夫だよ」

そう言って机に座る

トーストを齧ると、いつも通りの美味しい味がした。母が作ってくれたご飯の味だ

時間には余裕があるからゆっくりと味わって食べて、少し冷めたコーヒーを啜って鞄を背負う

母はまだ心配してたけど、大丈夫と微笑んだら安心した様に送り出してくれた

いつもよりも幾分か怠い体。それでも、これが自分なのだと信じて俺はドアノブに手をかけた

空は今日も青い