戻る記憶。 ページ42
「あっ…ぁ…ひっ、は、はな…して、くださ、い…」
他人行儀なA。
『僕だよ…ねぇ、思い出して…』
「わか、んな…い」
『僕だ、山田三郎…君のことを誰よりも好いている、君だけを愛している人だ。』
「やま…だ、さぶ…ろぉ…」
『そうだ、山田三郎。』
「さ、ぶろ…さぶろぉ、………っ！三郎！」
『っ！……うん、僕だ。』
「三郎くんっ…ほんと？本当に三郎くん？」
『あぁ、本当だ、僕だよ。』
「思い出せた…Aの大好きだった人…」
『そう、僕の大好きなA。よかった…』
今度はどこにも行かない様に強く、強く抱き締める。
『あぁ、本当にAだ…』
「うんっ、Aだよ…」
『もうどこにもいかない？消えたりしない？僕を、僕を置いていかない？』
「勿論だよ、もしまた三郎くんを忘れてしまったらAを探してくれる？見つけてくれる？」
『当たり前だ、離してやんないからな』
「ありがとう…」
『ねぇ、三郎くん？Aの大好きな三郎くん。私は君が、君だけがいればそれでいい。他のものなんて何にもいらない。必要ない。』
「同意見だ。」
『ふふ、おんなじだね』
「ねぇ、A。」
『なぁに？』
「僕だってもう何もいらない。Aだけがいれば十分だ。」
『Aも。』
「じゃあさ、いっそのこと一緒に居なくなろうよ。2人だけのところに行こう？」
『うんっ』
私は三郎くんの手を取った。
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許（元はく） - めちゃくちゃ感動しました。今涙流してます（笑）途中ヤンデレみたいで怖いなって思ってたんですけど、ストーリー性とかもあってとても面白かったです。お疲れ様でした。 (2020年7月7日 0時) (
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作者名：音夜 | 作成日時：2020年5月4日 0時
