失敗作ちゃんと神童くん。Ⅱ (ページ25)

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処分。ページ25

俺は１つ疑問をぶつけた。

『Aの記憶は？』

「勿論造った当初の記憶のままだ。」

『じゃあ、もう記憶が戻らないんだな？』

「そういうわけではない。もし、Aにとっての何か大きな出来事に関わった人間や物を目にすれば記憶が蘇るかもしれない。細心の注意が必要だ。そこで、飴村。お前だ。私等がAを虐めた奴等を処分している間、お前の事務所で預かってもらう。その間できるだけ誰にも合わせるな。いいな？」

『分かった。その前に、虐めた奴等ってなんだ？Aを虐めた奴等がいるのか？』

「まぁな。そこで私等が裏で手を回すんだ。」

そういうと勘解由小路無花果は部屋を出て行った。

_____

「A」

『あっ、無花果様！もう話は終わったのですか？』

「あぁ。さて、今日からAには飴村乱数の家に住むことになった。」

『そうなんですか？分かりました。その事を乱数は知っているのですか？』

「当たり前だ、安心して居ろ。私達がAを守るからな。」

「そうですよ、A。」

『守るって…？何から守るんですか？僕は特に狙われている訳でも無いのですが…』

一体何から僕を守るんだろうか。全く心当たりの無い僕からすれば本当に分からなかった。

「Aは何も気にしなくていいんですよ？さぁ、無花果さん？飴村乱数の所へAを連れて行ってあげて下さい。」

「分かりました、A行くぞ。」

『はい。乙統女様失礼します。』

胸のモヤモヤを抱えたまま、僕は無花果様について行った。

「A～！やっと来た～！さぁ、僕のお家に行こーっ！」

『うん！では無花果様、今日はありがとうございました。』

「あぁ、構わん。気にするな。後、服は飴村に用意して貰うんだぞ。じゃあな」

僕は歩き出した無花果様に礼をして、乱数と一緒に中王区を出た。