【名探偵コナン】 My Precious _ 03 【男主】 (ページ5)

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File：103￤内科検診￤香月side ページ5

塚本とAの意味深な会話にシーンとしてしまった教室。( 元・空手部主将同士、気とか波長が合うのか…？ )

そして、このふたりの会話は＂出処の分からない噂に左右され、尚且つ容姿で性格を決め付けていた＂と言う事実を、クラス中に突き付けたようなもの。

( ── ぐうの音も出ない状態ってこう言う事を言うのかもしれない )

「お前らー、内科検診の番回ってくるから並べー。……って何かあったのか？」

今日…そもそも担任は休みで、顔を出したのは隣のクラスの担任の先生。微妙なクラスの空気に首を傾げる。

「内科検診とかメンドくせェな」
「受けていて損は無いと思うが」
「真面目か。…いや、真面目だったわ」
「何ひとり突っ込みしてんの」

そんな中、Aや塚本、そして噂話に大して興味が無かったらしい面々が何でもないように立ち上がった。( キミ達は通常通り過ぎやしませんかネ ) ( 有難いけど )

「あれ？内科検診って、新出コーチなんですか」
「ああ、南雲くん。うん、本職は医者だからね、縁で声掛けて貰って。……調子はどうだい？」
「あ、成程。至って元気でーす！」

あの後、内科検診が行われている保健室へと向かう。保健室の中で更に仕切られた個室に入れば、去年と違う先生の姿、しかも少し前までバスケ部の居た新出コーチで。

「そうか。南雲くんは元気なんだね？」
「？？」
「いや、君のクラスは人によって温度差が凄いから。Aくんはいつも通りに見えたけど…他の子は今にも泣きそうだったり、罪悪感いっぱいの顔してたり…」

シャツのボタンを外しながら、中に着ていたTシャツをズボンから引っ張り出していれば、不思議そうに口を開いた新出コーチ。( やっぱ噂鵜呑みにしてたの、気にしてる奴は気にしてんだ… )

「うーん、説明すると長くなるんですけど…噂や見掛けで人を判断するのは良くないよなって話をクラスでしたんです」
「ああ、成程。…それで暗い顔してた子達は、何かしら心当たりがある子達って事か」

だいぶ端折ったにも関わらず、聴診器を当てながら納得したように頷いた新出コーチ。 ( 俺がこの説明されたら、何でそんな話になったんだってクエスチョンマークで一杯になりそうなのに )

「はい、終わり。…詳しい事は分からないけど、人は間違いを犯すもの。その子に対して、本当に悪いと思ってるなら、〝次〟どうするかが大事なんじゃないかな。…って言っても南雲くんは信じてた方なんだろうから、君に言ってもアレだけどね」

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