【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ24)

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File：72￤シナリオ￤コナンside ページ24

「は…？」

「〝広田雅美〟の名が偽名だと聞いた時点で違和感を持つだろうと思っていたが……そうか、俺が彼女の本名を知っていたか否かの時点なら気付く筈も無いな」

驚きの言葉を口にしたAさんに、驚いて気の抜けた声しか上げられず。腕を伸ばしてオレの手から携帯を取ったAさんはいつものように無表情で、声もなんてことは無いと言わんばかり。

「ちょ、ちょっと待って…！どう言う事？彼女が生きてるって…！」

「文字通り(・・・・)の意味だ。…警察で、敢えて偽名を口にしたのは全て(・・)が明らかになった時、彼女の生活に支障が出ない為」

「全て(・・)って…」

淡々と語られる言葉に一度、深呼吸をする。( 此処で言うAさんの＂全て＂はあの事件の解決ではなく ── ) ( 原因とも言える、組織の壊滅(・・) )

「いやいや、納得し掛けちまったけど、なんで実行犯が彼女だと？」

「それはあの事件が ── 彼女のSOSを受けた俺が描いた、シナリオだから」

「は！？」

「勿論…大まかなシナリオが俺なだけで、細かい場所やステージを用意してくれたのは協力者だが」

( シナリオ？？ステージ？？協力者？？ ) 続け様に出されたキーワードに首を傾げていれば、混乱しているのが分かったのか肩を竦めたAさん。

「つまり〝広田雅美〟の存在、彼女が働いていたと言う豪邸、豪邸に有ったと言う監視カメラの映像、犯人グループと思われる三人組。……そんな物、最初から存在しないんだよ。あの事件全てが偽物(フェイク)だ」

「はああ！！？で、でも10億円は明美(彼女)が言い遺したようにロッカーから見付かったし、遺体だって三人分見付かったって……！」

「嗚呼、其処は用意して貰ったからな。最初から組織に渡すつもりなんて無い(・・・・・・・・・・・・・・・・・)金を。＂10億円＂の文字が新聞に上がらないと組織が怪しむだろうし、盗まれた現物が無いと警察も動かない可能性も有った」

「用意…？渡すつもりなんて無い…？」

「遺体に関しては ── 深く言わないが、どうにでも出来てしまう。損傷が激しいのは爆弾の所為(・・・・・)…何ら違和感は無いだろう？」

「…色々混乱してる部分も有るけど…Aさんが明美さんの事を思ってやった事って言うのは少し理解出来たかな。その大物過ぎる協力者が誰なのかは凄く気になるけど！」

それはまだ言えないと口にした彼に、相変わらずの秘密主義者だなと思うのだった。

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