【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ22)

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File：70￤榎本家にて￤主人公→コナンside ページ22

「 ── 灰原について、色々言いたい事は有るんだけど…Aさんに1言うと10返って来そうだから其処は黙る」

翌日、直接話したいと言う彼を呼んだのは比較的安全と言える自宅。マンションのロビーで待っていた工藤と部屋に入れば、話は彼女の事へ。

早速その話をしたと言う事は黒ずくめの一員であった彼女を、博士の家に入れた事が危険過ぎるとでも言いたかったのだろう。

けれど…工藤も深追いした所為で今の姿になった事も有り、強くを言える身分では無いのは重々承知らしい。( 余程、＂Curiosity killed the cat.(好奇心は猫をも殺す)＂の諺が効いたんだな )

「まあ、文句を言おうモノなら…工藤の前例が有ったから彼女も来たんだろうって言ったとは思う」

苦汁を飲んだような顔をしながら、やっぱりと口にした工藤に肩を竦める。そして此処に呼んだ訳は？と本題を切り出せば、彼はハッとして口を開いた。

「〝宮野明美〟さんって知ってるよね？ …あ、〝広田雅美〟さんって言った方が良いのかな」

「…嗚呼、何方でも分かる」

そっかと頷いた後、一呼吸置いて話し出した工藤。そして彼が話したのは、昨日巻き込まれたらしい事件の話。

然し、尋ねた広田氏は教え子のひとりに撲殺され、目当ての物は受け取れたものの無駄に ── と、結果は散々だった様。( トリックについても説明してくれたが、巧妙な物だった ) ( と言っても話したいのは其処では無かったようで、直ぐに咳払いしたが )

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「 ── 其処で灰原が泣いたんだ。＂どうして、お姉ちゃんを助けてくれなかったの＂って。黒幕のところに向かう彼女を止められなかったのは事実だから、何も言えなくて」

「ハァーー……そうか、そうだよな」

オレの言葉に、溜息にも似た息を大きく吐いたAさん。ベットに腰掛けていたAさんは少し前屈みになったかと思えば、太腿に肘を立てて手で口元を覆う。

不思議に思いながら彼の目を見れば、僅かに迷いのような物が有って。( 珍しいな、Aさんが表情を表に出すなんて )

「…と言うか、＂そうか＂ってどう言う意味？」

「……正直、工藤にも話そうか迷ったんだが…でも、先に話しておく」

表情と共に気になったのは、Aさんの言葉。そうかと言うのは少なくとも灰原と広田雅美もとい、宮野明美の繋がりを知っていたと言う事。

気になって尋ねれば、小さく息を吐くと片手で髪を掻き上げたAさん。そして男性にしてはサラサラとした前髪が元の場所に戻ろうと落ちる中、静かに話を続けた。

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