人間を愛したかみさま【短編】 (ページ19)

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劇場版：ブロリー（フリーザ）4 ページ19

「それはそうとベリブルさん。彼女の所在はきちんと調べておいてくれましたね？」

そう尋ねられたベリブルは、すーっと浮いてフリーザの下に近づき答えた。

「ええ、抜かりなく。A様は現在、破壊神ビルス様の星にいるそうです。つい先ほどまで通信をしておりまして、しばらくはそちらで滞在すると仰っていましたよ」

「それはそれは。ベジータ王子は？」

「スカウターで現在地を調べましたところ、いまだ任務先の星にいるようでございますね。召集に従う気はさらさらないのでございましょう。今からこちらに向かったとしても数か月はかかる距離ですのでご心配には及びませんよ」

そう伝え一礼した後、ベリブルはまたすっと元の位置に戻った。

「ご苦労でした、ベリブルさん。これで準備は整いました」

満足そうにうなずいたフリーザは、惑星ベジータの方を向き直した。

フリーザの船の上部のハッチが、ゆっくりと開いていく。そこから、いつものフローターポッドに乗ったフリーザが姿を見せた。
少しの間惑星ベジータを見つめたのち、笑みを浮かべて人差し指を立てた手をゆっくりと持ち上げた。
その指先に、小さなまばゆい光が灯る。指先が高く持ち上げられていくと共に、指先の光は何倍にも大きくなる。
フリーザが作った光球は、惑星ベジータの地上からもはっきりと見ることができるほどであった。
その光が一体何なのか、ほとんどのサイヤ人は最期まで理解ができなかった。
そして、指先が惑星ベジータに向けられると、その強大なエネルギーを持った光は、抵抗するサイヤ人の戦士を嘲笑うかのように、真っすぐと星を飲み込みに行った。
フリーザはその様子を宇宙船の上から落ち着いた様子で眺めていた。
中心核を撃ち抜かれ、形を保てなくなった巨大な惑星が、ゆっくり崩壊していく。やがてバラバラになった惑星の破片が、爆発の閃光と共に飛び散り、闇に溶け込んでいくのを見届けると、フリーザは満足げに笑みを浮かべた。

「これですっきりしました」

スカウターには、惑星ベジータ全体の戦闘力が映し出されていた。それは、星が崩壊すると共に減少し、そして警告音と共にゼロになった。