劇場版:ブロリー(フリーザ)3 ページ18
5年ほどたったある日、各地へ任務に赴いていたサイヤ人たちは、フリーザの緊急招集を受け、惑星ベジータに集まっていた。ごく一部を除いては。
惑星ベジータ上空に浮かぶ船の上で、フリーザはお付きの科学者であるキコノの報告を受けていた。
キコノは戦闘力は皆無であったが、知識が豊富でよく頭が回り、先代のコルド大王から仕えてきた者であるので、重宝されてきた。他人を信用することのないフリーザの数少ない側近の一人である。
「超サイヤ人に超サイヤ人ゴッド…、調べましたが、ただの伝説のようですね」
「そんなことだろうと思っていましたけどね」
お気に入りのフローターポッドに乗ったフリーザは、笑みを浮かべながらキコノの報告を聞いた。
「この私には一抹の不安もあってはならないので念のためですよ」
そんな主に、キコノはおずおずと尋ねる。
「では、攻撃は中止に…?」
その言葉をフリーザは鼻で笑った。
「おっほほ………御冗談を」
キョトンとした面持ちのキコノの後ろで、これまたコルド大王から使えている世話役のベリブルが笑みを浮かべて頷いた。
フリーザは窓の外に広がる惑星ベジータに目を向けながら楽しそうに続ける。
「せっかく集まってもらっているのですよ?星ごと消えていただく、絶好の機会じゃないですか」
邪悪な笑みを浮かべながら、じっと目の前の惑星に見入るのだった。
フリーザが、サイヤ人たちに召集を命じた時刻となった。
キコノは惑星ベジータに目をやりながらフリーザに進言した。
「サイヤ人がいなくなると、兵力が半減してしまいますが……」
「それくらい、何とでもなりますよ。彼らは仕方なく従順なふりをしていますが、いつ牙をむくとも限りません」
キコノは驚いた様子でフリーザを見上げる。
「なんといっても、戦闘民族ですからね。ホコリが舞い上がる前に、お掃除しておかねば」
驚きと畏怖の感情を浮かべるキコノとは対照的に、ベリブルは笑みを浮かべて控えている。
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作者名:piace | 作成日時:2018年5月7日 22時