劇場版:ブロリー(フリーザ)2 ページ17
「何者だ…あいつは」
ベジータ王が声を抑えてつぶやく。
宇宙船から降りてくるコルド大王の後ろに小柄な人影が見えた。体は小さいが、姿形はコルド大王によく似ている。
戦闘員たちが左右に別れ列をなし、船とベジータ王の間に道を作る。その間をコルド大王と”小さなコルド”がゆっくりと歩き、ベジータ王の前で立ち止まった。
「久しぶりだな、ベジータ」
「コルド大王……ようこそ」
コルド大王は、おずおずと差し出されたベジータ王の右手を一瞥し、横に立つ”小さなコルド”を見てこう言った。
「紹介しよう。我が子、フリーザだ」
フリーザと呼ばれたコルド大王の息子は、一歩父親の前に出ると、ベジータ王に視線を向けた。
ベジータ王は絶望した。その目に見つめられたとたん、体が勝手に服従の意を示したからだ。誇り高きサイヤ人にとって、これほど屈辱的なものはない。
フリーザと言葉を交わすも、声が震えてしまう。
見下され、あざ笑うような視線に、ベジータ王は怒りと屈辱と恐怖に震える身体を抑え込むので精一杯だった。
「突然だが、俺は引退することにした!」
コルド大王の宣言に、ベジータ王はじめサイヤ人たちはハッと顔を上げる。
「これからはフリーザが軍を受け継ぐ。つまりコルド軍はフリーザ軍になる」
「ほーっほっほっほっ、よろしく。サイヤ人の皆さんには特に期待していますよ」
この日こそが、後にサイヤ人の、フリーザ一族の、そして宇宙の運命を左右するターニングポイントとなるのである。
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作者名:piace | 作成日時:2018年5月7日 22時