BALL18 ページ19
夜。
両手いっぱいに抱えるくらい物を買ってもらい、青心寮こと青道高校に帰ってくる。
お金を使うとは言ったが、まさか郁也が持てなくなるんじゃないかというくらい買い込むとは。
買った自分もびっくりだ。
ついつい買い物が進んでしまった。
マンガの最新刊と新しい参考賞も買えたし、大満足である。
｢寮まで送ろうか？｣と言われたが、またややこしいことになったら面倒なので丁寧に断わる。
荷物を両脇いっぱいに抱えて、車から降りた。
運転席に乗る郁也に、｢…今日はありがと。｣と照れながら言う。
あまりお礼なんて口に出して言わないから照れくさい。
少し驚いた顔になると、郁也は へへっとはにかみながら｢また行こーな。｣と言ってくれる。
仕方ないなぁ…なんて返事をしながら、｢またね。｣と見送った。
・
時計を見ると、時間は19:28。
大体練習が終わり、みんな食堂に居る時間だ。
ちょっと顔を合わせずらいが、仕方ない。
部屋に帰れないのは困るし、何せ荷物が重い。
こそこそ…と青心寮の門をくぐると、｢…あ、先輩…！｣と早速春市に見つかった。
慌てて｢しー…｣と手を春市の口に当てる。
相変わらずぶわっと顔を赤くすると、｢あっ…えぇっと、荷物持ちます。｣と手の荷物をひょいっと抱えてくれた。
春｢先輩、結局あの人は誰なんですか？｣
｢えぇっとね…みんながいる所で説明するよ。面倒だから。｣
春｢あ、それもそうですよね…ごめんなさい。今みんな食堂に居るから丁度いいかも。｣
｢ううん勝手に出たの私だから。謝んないで。｣
春｢あ、あと先輩、それCROWNの香水ですか？素敵な匂いします。｣
｢え、春市知ってんの？！｣
春｢クラスの女子で持ってた子がいたんですよ。いい香りだなって。先輩似合いますね。｣
｢春市の事好きになりそう。｣
褒め上手なのは、弟の方が上だったり。
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