【◇A】青心寮在住の引きこもり。【逆ハー】 (ページ11)

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BALL10 ページ11

わしゃわしゃとタオルで髪をかきながら、お風呂から上がる。

季節は春、四月の中旬だ。
ポカポカした陽気が、だんだんと夏になっていく時期。

そんな空気が好きでゆったりと歩いていると、｢…鈴井？｣｢ンなまさか。｣と失礼な声が聞こえてきた。

ジロっと見ると、ずっとAが風呂に入っていたからまだ入っていない沢村と倉持が驚いた顔で立っている。

確かに髪を下ろしているからいつもとイメージは違うだろうが、人がわからないほどだろうか。

｢何。｣と口をとがらせて言うと、｢…やっぱA先輩ッスよ？！｣｢…｣と更に驚かれる。

すると、｢なにやってんの。｣と小湊がひょっこり現れた。
階段上から御幸も来る。

そんなにみんな風呂に入りたかったのか…と呑気に考えていると、二人にも随分驚いた顔をされる。

御｢…鈴井？｣

｢以外に誰がいると思う。｣

倉｢最初疑うよなこれ。｣

｢栄純栄純、私今ノーブラ。｣

沢｢エっ？！｣

｢嘘だけど。｣

小｢胸ちっさ。｣

｢殴りますよ。ていうか胸が小さいのは、この腹筋のせい！！｣

そう言って、ペラっとTシャツをめくる。

そこには、Aの容姿に合わないバキッバキの腹筋がついていた。

｢はぁあ…｣と大きなため息をついて、石のように固い自分のお腹を触る。

｢フツーの女子ってこんな腹筋つかないよね…って…なんで下向いてんの。｣

小｢別に。｣

御｢……｣

腹筋やら何やらの前に、彼らはしっかりDKである。

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