父と息子 ページ4
シオンは中也の腕の中で足をじたばたさせ乍云う。
「とりま降ろして」
「降ろして?」
「下さい」
「よし」
シオンはゆっくりと中也に降ろされた。
「で?何で降ってきた?手前はラピ○タか?」
「おとーさんが来たから逃げて来た」
「反抗期か」
「イヤイヤ期」
「餓鬼かよ」
呆れる中也を余所に、シオンは伸びをし乍歩き始める。
「帰んのか?」
「お母さんのとこ行く」
「あっそ。んじゃ、文也を宜しくな」
「がってん」
シオンは中也に軽く手を振られ乍、母の元へ向かい始める。
中也は暫く突っ立っていると、後ろから声をかけられた。
「あれ、父さん」
「あ?文也じゃねえか」
「シオンは?」
「今、青鯖の嫁んとこ行ったぞ」
「まじか。折角来てやったのに」
「、、、、、、、」
「何にやにやしてんの」
「いーや?何でも」
「変な勘繰りしないでよ」
「わーってるよ」
◇◆◇◆◇◆
シオンは薄暗い廊下を歩いていた。
「何処だっけ、、、、、、、」
先刻から、此処かと扉を開きまくってはいるが、扉を開けば顔見知りの職員達がシオンちゃんおかえりー、と云ってくるだけだ。
「おじいちゃぁーん」
「何や」
「ピャッ」
シオンは振り返る。
其処には、シオンの祖父の様な存在である種田山頭火が居た。
「吃驚致しましたワァ」
「おかえりな。ほな、スミレを探しとるん?」
「うん、お母さん何処?」
「今は留守や」
「エー」
シオンは項垂れ乍、お菓子を出して呉れると云うおじいちゃんについて行ったのだった。
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ran(プロフ) - 今回もサイコーでした!! (3月9日 8時) (レス) @page17 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - hinaさん» ありがとうございます!作りましょうかね、、、、、、 (3月8日 14時) (レス) id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - 私も雑談部屋入りたいです😆 (3月5日 0時) (レス) @page16 id: 9425f0e88a (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 陽奈さん» いつも暖かいコメントありがとうございます!!記念すべき一人目です! (3月4日 23時) (レス) id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - こんな私でも良ければ、雑談部屋に入りたいです、! (3月4日 11時) (レス) @page16 id: c0bc1d8a43 (このIDを非表示/違反報告)
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