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落下 ページ3

「、、、、、、、、」


「おや、静かだと思ッたら、何やッてンだい?」


「与謝野さん」


私は顔を上げて、此方を覗き込む与謝野さんを見た。


「シクダイ」


「嗚呼、宿題ね」


「そーなの。もーホント、証明とか意味判んない!」


シオンは机に突っ伏す。


すると、横から声をかけられた。


国木田さんだ。


「太宰娘、俺の視界がちかちかしてきたぞ」


国木田さんは眼鏡を正し乍云った。


シオンは其れを聞いて立ち上がる。


「おっと。じゃ、皆さんさよーなら!」


シオンは鞄を持って窓から外に出て、煉瓦の壁の小さな出っ張りに腰を下ろした。


勿論、一人で其の高さから降りる訳では無い。


シオンはスマホを開いて、文也にL○NEを送る。


[たんてーしゃ前に宜]


シオンがふう、と溜め息を吐くと同時に、頭上の窓から国木田さんの怒号が聞こえてきた。


「おとーさん来たな」


不意に下の道を見ると、見覚えのある人が見えた。


「よしっ」


シオンは不敵に笑い、立ち上がる。


そして、其の人めがけて落下した。


一般人の中には其れを見てあんぐりと口を開ける者も居た。


周囲の異常に気付いたのか、其の人はシオンの方を見上げる。


「、っ、はぁ?!」


其の人はシオンを見るなり、困惑し乍も落下してくるシオンを受け止めた。


「あははは!」


陽気に笑い転げるシオンを見て、其の人は呆れる。


「手前、、、、、、太宰ンとこの餓鬼だな」


「わはは。そ。太宰シオンだよ。久しぶりだね文也のおとーさん」


「ったく、、、、、、、、」


シオンを受け止めた彼は、我が父の嫌いな人であり、文也の父である中原中也だった。

父と息子→←太宰と中原



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ran(プロフ) - 今回もサイコーでした!! (3月9日 8時) (レス) @page17 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - hinaさん» ありがとうございます!作りましょうかね、、、、、、 (3月8日 14時) (レス) id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - 私も雑談部屋入りたいです😆 (3月5日 0時) (レス) @page16 id: 9425f0e88a (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 陽奈さん» いつも暖かいコメントありがとうございます!!記念すべき一人目です! (3月4日 23時) (レス) id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - こんな私でも良ければ、雑談部屋に入りたいです、! (3月4日 11時) (レス) @page16 id: c0bc1d8a43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:落蕾 | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2024年1月12日 22時

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