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BALL55 ページ10

食堂で夜ご飯を食べ終え、ようやくゆったりとお湯に浸かれる。
安堵できる場所は、もはやここくらいだ。

伊佐敷に言われた言葉。
「別に一気に復活してもいい」というセリフ。


その通りだ。
納得してもらう為にそんな理由をこじつけた。

真希の事でAが疑われるなんてことは、確率にしてゼロに等しい。

でもそうしなかったのは、
したくなかったのは、
Aが逃げているから。


段々と行かないうちに、行くのが怖くなった。
またああいう目に遭うんじゃないか。

時間が過ぎていくだけで、Aの心をじわりじわりと蝕んでいく。


ゆっくりと手で水をすくい、パシャッと顔にかけた。
風呂場で一人な分、余計なことも考えてしまう。

「やめたやめた。」と自分で自分を笑いながら、風呂から出た。





もう五月も中旬。
そろそろ季節も梅雨を出迎える。

暖かい空気に背中を押されながら歩いていると、「うぉおお!!」とグラウンドの方から声が消えてきた。

この声は沢村の声だ。

風呂に入る前にいじった髪が崩れてしまうではないか…と そんな事を思いながら、グラウンドの方に向かう。

今日は色々迷惑かけたし、バッティングくらいなら付き合ってあげようかな…。

そんなことを思っているだけで、笑顔になれた。


グラウンドに入り、「沢村ー!」と10m位先にいる彼に声をかける。



すると、沢村の奥にボールを持っている男が見えた。

あの顔は、確か真希の友人の一人だ。


直感的に、「ヤバい」と感じた。

夕方の時ような余裕は無い。
何故ならこれは予想外だったから。


「あっ、先輩!!」とこっちに駆け寄ってくる沢村に向かって、男は勢いよくボールを投げる。









「ッ沢村…!!!!」


沢「え…?」





咄嗟に手を伸ばして抱きしめた。

.

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み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます〜!小湊兄弟ホント推せますよねっ…!! (2019年3月24日 2時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - すごく面白いです!楽しく読ませてもらってます!春市くん可愛すぎて尊いです!!これからも頑張ってください!(*≧∀≦*) (2019年3月22日 13時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
- あわわ!お返事頂けるとはっ!! 二遊間良いですよね!!私も推しコンビです^^* これからも読みます\(^o^)/ (2019年2月1日 1時) (レス) id: 3e32dfd06e (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 南さん» ひぇえ!ありがとうございます!!そんな感想言ってくださるだけで、書く気力が上がりますっ…(涙) 私も二遊間好きなので、ついつい出しすぎてしまいます笑 良ければこれからも読んであげてください! (2019年1月27日 1時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ面白いです!!亮さん推しなので、胸を貸してくれるシーンで萌えました笑 更新待ってます! (2019年1月26日 18時) (レス) id: 3e32dfd06e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅーぽむ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年1月17日 17時

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