【◇A】青心寮在住の引きこもり、その二。【逆ハー】

BALL54 ページ9

夜。
部員達の練習も終わり、夜ご飯の時間だ。

気を紛らわすために、部屋でショートカットのカタログを見ていたA。

Aの腹時計は実に正確で、丁度お腹がすいてきた頃だった。

短くなった方の髪を濡らしてから かきあげてピンで留める。
これならあまり変には映らないはずだ。

ｶﾞﾁｬｯ…と部屋から出て、食堂に向かった。

・

｢お腹すいたー｣と言いながら、食堂に入る。

ご飯を貰う時に｢あらAちゃん、イメチェン？｣と髪の事を聞かれ、｢可愛いでしょ。｣と笑った。

今日の夜ご飯はハンバーグだ。
じゅるっ…とよだれが出る。

沢村の隣が空いていたので、隣に座る。


沢｢A先輩オシャレっすね！｣

｢でしょ。沢村にもやったげる、おそろい。｣

沢｢え、いや別にそこまで…｣

｢す る よ ね ？おけまる。
その分ハンバーグひとくちもーらい。｣

沢｢っアァ！？自分のあるじゃないですか！！｣


そんな相変わらずの楽しそうな掛け合いをしている二人。
あの小湊に慰められたからか、Aは元気そうだ。



春｢あ、A先輩明日から学校に来るんですか？｣

｢んー…ぼちぼちね。急にギュンって復活するのもあれだし。｣

伊｢なんだよ別に一気に復活してもいーんじゃねぇの？｣

｢そーゆーもんなんですー。でも当分は行かないから大丈夫。｣

春｢？何で？｣

｢真希の話題が引いてからね。変わるように入ってったら、面倒なことになるのは目に見えてる。｣

御｢あーたしかに。｣



｢でしょっ？｣とご飯を頬張りながら、Aも同意する。

明日は髪を揃えに行くらしいA。






｢(…まぁ、まだ大丈夫…か。)｣



ついつい出る嫉妬に、ほっとする2Bコンビ。

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