【◇A】青心寮在住の引きこもり、その二。【逆ハー】

BALL73 ページ28

Aの悲鳴が聞こえたらしい沢村が、倉庫を開けてくれた。

もうAの目には沢村しか見えていない。
それも、少女漫画のようなキラキラが見えるフィルター付きの。

倉持からバッ…と離れて、沢村に｢わーい！｣と遠慮なく飛びつく。

｢うっわちょっと離れて下さい！！｣と嫌がられるが、それで諦めるようなAでは無い。


小湊 御幸 倉持は、完全に置いてけぼりだ。



｢やーん！沢村ったらホント王子様〜！！｣

沢｢はーなーれーろー！！｣

春｢栄純くん、A先輩！あれ、兄貴…と、御幸先輩に倉持先輩も…。どうしたんですか？｣

亮｢春市、助かったよ。｣

倉｢お前もやめろ。｣

｢びゃっ。｣

沢｢ったく…一体どうしたんですかホント！｣

御｢話せば長くなるぞー。｣

｢倉持離して！私は沢村に愛を伝えに行くの！！｣

倉｢アホかお前。｣



どれだけ疲れていてもへこたれないのは、相変わらずらしい。
案外 本調子で安心した。


沢村と春市には、｢内緒ね。｣と口止めしてみんな部屋に帰る。

これが大事になったら、厄介だからだ。
大会に影響されては困る。


ぼふっ…とベッドに寝転がって、｢はぁあ…｣と大きなため息をついた。









｢…私が来てから、迷惑ばっかかけてんな。｣




ちょっとセンチメンタリー。

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