【◇A】青心寮在住の引きこもり、その二。【逆ハー】

BALL69 ページ24

小湊に｢どうしたんですか？｣と聞くと、｢忘れ物。｣と単直に言われる。
蛍光灯がついておらず、暗い倉庫に入る小湊の後を追う。

三人も続けて倉庫に入った。

なんでもタオルを落としたらしい。
暗がりの中を手探りながら探す。

｢ありました？｣｢んー…あ、これは？｣｢あ、それかも。｣と話している。


すると、突然ｷﾞｷﾞｨｯ、ﾊﾞﾀﾝｯ…!!と扉が閉まった。

バッと一斉に四人が振り返る。

まだ冷静な御幸がドアに手をかけて力を入れるが、ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ…と音を立てるものの開かない。

｢え。｣と思わず声が漏れる。
名前呼び期間なんて事は忘れるくらい焦る。



｢……御幸、開くよね？｣

御｢……｣

倉｢おい黙るなよ…冗談悪いぜ…｣

｢え、ちょ…嘘でしょ？｣

御｢あー、かない…。｣

｢…っはァ？！なんでっ…｣

御｢わかんねぇよ！でも開かねぇもんはあかねぇし…。｣



暗闇を視界に慣れさせながら扉まで近づき、Aもドアを引いてみる。

でもドアは開いてくれやしない。

誰かが鍵を既に持っていて閉めたか、
もしくは合鍵を使ったのか、
というか誰がこんなことしたのか。

そんなことはどうでもいい。

今大切なのは、どうやってこの場を抜け出すかだ。

生憎この倉庫に窓はない。
窓どころか、光すらない。









小｢どうする？｣


｢助け待ち、ですかねぇ…。｣




思わずため息。

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