【◇A】青心寮在住の引きこもり、その二。【逆ハー】

BALL57 ページ12

食堂に着く頃には、何故か走っていないAの方が息を荒らげていた。

状況をよく理解してはいないが、滝川が｢大丈夫か…？｣とコップに水を入れて渡してくれる。

頭がクラクラする中、｢すみませんありがとうございます…｣と遠慮なく貰ってｺﾞｸｯ…と飲み干す。

なんだかふわふわした感覚が、全身に体感する。

血が出てるわけでもなさそうだし、おそらくたんこぶ程度で済むだろう。

降谷に話を聞く滝川を見ていると、ｶﾞﾁｬｯ…とすごい勢いでドアが開いた。



御｢鈴井っ！！｣

｢よー御幸。んな焦った顔すんなや。｣

沢｢先輩大丈夫でしたか？！降谷に連れられて、ずっと雄叫び聞こえてましたけど…。｣

｢ホント死ぬかと思ったわ。183cmに姫抱きは禁止、マジで。｣

御｢ちょっ、んな事言ってる場合じゃねぇだろ。
頭見せろ。｣

｢うぃ。｣

倉｢どうしたんだよ鈴井。｣

春｢飛んできたボール…？っていうか、狙って投げたボール、が頭に当たって…。｣

倉｢はァ…？｣



倉持と沢村、春市も近くに寄ってくる。

御幸に頭を触られて、何だかくすぐったい。

御幸の顔を見上げながら、｢んーっ…たんこぶ程度でしょ？｣と聞く。

風呂上がりのAの髪はいつもよりいい匂いがして。
怪我を見なきゃ行けないのは分かるが、下心が出てしまうのも事実だ。









御｢お前アホなの？｣


｢沢村が好きなだけ。｣


沢｢小っ恥ずかしい事言わねぇでください！！｣






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