【d!】悪役令嬢舐めんなよ。 (ページ6)

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体育館のような場所を出ると、クラス分けの紙が貼ってある玄関へと一目散に向かう令嬢やお坊っちゃま方。誰かにぶつかろうがお構いなしに走っていく。素晴らしい忍耐力だ。

「ねぇ、クラスってそんなに大事かしら？」

shp「大事ッスよ。令嬢様方なんか特に、気になるでしょうし。」

「え？何で？」

shp「何でって……さっきの黄色い声思い出せないんですか？やっぱり認知症。」

横目で睨むとショッピは舌を出して、素知らぬ顔でクラス分けの紙を小走りで見に行く。
私も負けじとドレスを掴んで走った。
執事って何か分かってるのかな？

「ちょ、待ってよ！」

1-A、1-B、1-C、1-……
私とショッピの名前は1-Aにあった。

─── ユナ・メアリー

どうやらヒロインも同じクラスのようだ。

shp「ッゲ……同じクラスじゃないですか」

「ッゲって失礼ね、執事の仕事全う出来るじゃない」

shp「ハイハイ、よろしくおねがいします」

やる気の無さそうな返事をするショッピの足に軽く蹴りをいれると、何かを言い返される前に急いで教室へと向かう。1-Aは既に人が一杯で、賑やかとは言わずとも話し声で溢れていた。

「ご機嫌よう」

そうドレスの端と端を両手で掴んで言うと、聞こえる鈴の鳴るような声たちと丁寧な挨拶。
流石本場の令嬢。喉の作りが違うね。
……あそこに居るのはヒロインか？

田舎から出てきていきなり豪華なドレスを見に纏った令嬢たちに囲まれ、クラスの雰囲気に馴染めずに居る……というのが始まりだった気がする。
そこに居場所を失くしたショッピが来て物語が進んで……

shp「ッ、はぁ、Aお嬢様！何で勝手に行くんスか！執事がどうのこうの自分で言っといて！」

息を荒くしたショッピが徐に教室の扉を開けて私の目の前へとやって来た。何気に名前で呼んでくれたし。私が優しくしたことによって序盤のセリフが変わってる！
……コレ、悪役令嬢ルート行けちゃうんじゃない！？

そう思ったのも束の間、ヒロインがショッピに話しかける。

yn「ッあ、あの……すみません、扉らへんに、お花のヘアピン、落ちてませんでしたか、？」

shp「え？あ～……コレですか？」

yn「！はい！そうです！ごめんなさい、ありがとうございます！」

あらま積極的。嬉しそうに花のヘアピンを受け取ると、笑顔で髪に留める。流石ヒロインと言ったところか、油断は出来なそうだ

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