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さんびゃくじゅういち。 ページ12

そう、あの世界は”俺”が生きてた世界の未来だ。

なぜ探していたか。
もし”俺”のこの呪いに引っ張られてみんなまでこっちに来てたら、って。
そう考えたからだよ。

冷静に考えればそんなことあるはずなかったんだけどね。

「いるはずなかったはずなのにまさかの七海と灰原よ。まじでびっくりした。なんであいつらこっちに居たんだろうな」

居てほしくないってわけではないのだが。でも”俺”に引っ張られてあいつらは歩まなくてもいいはずだった人生を歩むことになった。実験台にされた。
七海と灰原があんな目にあったのは”俺”が生きてたからだ。

灰原じゃなくて七海が二年のときに死んだのも、硝子と憂太と真希と棘とパンダが死んだのも。あそこで傑を生かしてしまったのだって本当は違っていたはずなのに。
その次の年に灰原が死んで、渋谷で傑の皮を被ったクソが来て、”俺”が封印されて。


全部”俺”が居なければ起きなかったはずの出来事だ。
今回マイナスな事が何も起こっていないのは偶然なだけで。

「…そういう呪いだからな」

”お前が生きているせいで必要ない痛みを味わっている人がいる”。

3つ……2つ前か?そん時に”原作”を読んでいたから。どこが違うとか、覚えてるのだ。
”俺”が居た事で本当の世界と変わった事など1つもない!って言い切れれば多少よかったんだろうけど。
呪いに組み込まれてたのか、最悪でも2つ前の世界で見た記憶がある世界に飛ばされてるからねぇ。2つも前の世界の事なんて全然覚えてないってのに。

「知識が…うっすらとでもあんなら、死なせないようにすればよかったんじゃないのか?」
「?ああ、それね。言ってなかったな。”俺”の意識が依代に乗り移るタイミングって世界によって変わってさぁ」

”ユキヤ”の体に乗り移ったのは15歳位の時、そして”雪”の体に乗り移ったのは封印される直前。
”雪”は自分が生きてる世界がまさか漫画の世界なんてのは知らないから、人が死ぬとかそんなん防げる訳がないだろう?そういう事だ。

「これで終わりかな?喋んの疲れたんよ」
「お前の能力は何だ」
「あ?言ってなかったっけか?俺の…術式は”斥引操術”。斥力と引力を操る術式。術式の”対象”、斥力と引力のどっちを使うか、その力の中心をどこにするか。この3つを決める事で発動する。長いでしょ?術式の説明にしては長いのよね。あと六眼、色々分かるやつ」

呪いと同様、魂に刻み込まれてんのでどこの世界線に行ってもこれは使える。

さんびゃくじゅうに。→←さんびゃくじゅう。



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作者名:あんちょび | 作成日時:2022年9月27日 17時

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