幸せのかたち

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重「おれ、もう、無理かもしれへん、。演じることが怖いねん、ﾋｯｸ」



小さく呟いた彼の背中は震えとって。


今回はだいぶ溜め込んだなって


しげの不器用さに笑けてくる




でも俺はしげの気持ちもわかるから、



しげは同情なんて求めてへんと思うから。







淳「そかそか。頑張ってるなぁ。でもしげはそんなことで負ける男か？ドラマ決まったときやったるで！って燃えてたやん。あの気持ちはどこいったんや」






重「やったる、って思ってたけど、もう自信ないねん、ﾋｯｸ」




うわ。弱気なしげちゃん発動やん。



ここまで心がやられとることないんちゃうか



やっぱりプレッシャーすごいねんな、






俺にはその気持ちわからへんけど



抱えてること半分にすることはできるやろ？





淳「シゲはさ、みんなに認められたいって思いが強いねん。そりゃもちろんいいことやで？みんなに認められたい、みんなに褒められたい。でもな、″みんな″やなくてもええんちゃう？しげはしげのことを応援してくれてたり、重岡くんどんな演技してくれるんやろって期待してくれる人のために頑張ればええねん。少なくとも、俺ら6人はしげの演技楽しみにしてるで？やから俺らのためにもやったってくれや。な？」







重「ｸﾞｽｯ、ん。じゅんた、珍しくええこという、やん、」




せっかく感動のシーンやったんに




こいつほんま1発殴ったろか






でも





仕事に対して真っ直ぐで、純粋で、努力し続けるしげは輝いて見えるし、俺も頑張ろうって刺激になる




やからしげらしく腐らずやりきってほしい





泣きたい時は泣けばいい



無理して笑わなくていい




俺が手を差し伸べてやるからその手を取って進んで欲しい




だから今日は思う存分甘えられるように





しげの目の前に移動して前から優しく抱きしめ、子供をあやす様に頭を撫でてやると
意外とすんなり俺の腕の中に収まった






重「ﾋｯｸ おれ、ほんまはしんどかってん、」





淳「はは笑やっと言えたやん笑

俺はそのしんどいが聞きたかってん。

仕方ないから、俺が救世主になったるわ！」





重「…きっしょ」





とか言いながら俺の胸に頭を押し付けて涙を流すしげを、ちょっとかわいいなんて思ってしまう俺はやっぱり長男気質やねんな









重「…じゅんた」





淳「なんや？」



重「なんでもない。」



淳「なんやねん」






ありがと。





隠しとるけど小さく呟いた言葉


ちゃんと聞こえてんで。






fin

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