天狗【兄貴と花壇】 ページ10
フゥ…
Aが蝋燭の火を消した。
「こえーよ。お前のその発想がこえーよ」
白っぽい外ハネの長い髪の俺っ娘少女、天崎芙佳(チームネーム天狗)がAに言う。
「………ん、次は俺の番か。
俺の家の、庭の話だ。」
＊
＊
＊
俺はいつも、雨の日も、台風の日も、雪の日も、傘をささないのは知ってるよな？
まあ、面倒、ってのもあるし、雨にうたれるのが好き、ってのもある。
俺の家は無駄に広い土地に建てられてて、家を建ててもまだ何件も建てられんじゃねーの、ってほど。
その無駄に広い土地は、家を建てて何年か後に畑として使うことになった。
当然、我が家の食卓に並ぶ野菜は自家製。
それでもまだ残るから、兄貴が花の種を植えた。
そしてある台風の日、洪水警報が出た。
俺は『畑の様子を見てくる』と言って庭へ出た。
幸いなんともなかったから戻ろうとすると、花の確認を忘れた俺は花壇へと向かった。
………その花壇の前に、信じられんもんがいた。
ユーレイだよ、ユーレイ。
その女のユーレイは傘をささず花壇をジーっと見ていた。……ま、傘をさしていないのは俺もなんだがな。
俺に気付いたユーレイは俺のそばにきた。
不思議と恐怖感は無かった。どっかであったような感じがしたような気がした。
その女は俺に一言、『彼氏をよろしくお願いします』って言って消えてった。
戻る道中、思い出した。
『あの兄貴が花を植えるはずがない』って。
そう言えば、花の種を植える一週間くらい前、兄貴が酷く落ち込んでたっけ。
「……あー、思い出した。」
あの人、兄貴の彼女だ。
一回だけ、俺に彼女ができたーって言って彼女を連れてきたっけ。
ああ、あれは彼女の葬式だったのか。
玄関へ繋がるドアの前、今更恐怖がわかあがってきた。
続く
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たんぐすてん(プロフ) - ありがとうございます！ (2015年6月9日 19時) (
レス) id: 4b4a9c47cd (このIDを非表示/違反報告)
ユメノ@勉強ポイ捨て常習犯(プロフ) - たんぐすてんさん» ありがとうございますす更新スピードは遅いですが頑張りますコマさん兄弟と破怪、ですね。分かりました、頑張ってみます (2015年6月8日 21時) (レス) id: aaf35676d2 (このIDを非表示/違反報告)
たんぐすてん(プロフ) - 面白いです！コマさん兄弟か破怪みたいです。 (2015年6月8日 21時) (レス) id: 4cf4028e55 (このIDを非表示/違反報告)
ユメノ@勉強ポイ捨て常習犯(プロフ) - 鈴丸さん» 天狗ですか？元々出すつもりなんですよ！男のつもりでしたが、俺っこ女子ですね！かしこまりました！ (2015年4月2日 4時) (レス) id: aaf35676d2 (このIDを非表示/違反報告)
鈴丸 - 天狗出して！俺っこ女子の！ (2015年4月1日 23時) (レス) id: cbb1fe1942 (このIDを非表示/違反報告)
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