【妖怪ウォッチ】妖怪たちと夢主のゾクゾク(？)怪談話。【擬人化、一部キャラ性転換注意】

オロチ【部活帰りの公園で】 ページ2

「…最初は、俺からで良いか？」

蒼っぽい髪の少年が手を挙げた。
彼はサッカー部で人気を誇る大樹(だいき)。チームネームはオロチ。

彼には二人髪の色が全く違う弟がいて、その二人も今回参加している。

彼がトップバッターになることに異論はなく、満場一致で決まった。

「…じゃあ話すぞ？これは、つい先週のことだったんだ」








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その時は酷い雨で、傘をしっかりと握りしめて帰ったんだ。

スニーカーも靴下もずぶ濡れになってしまい、向かい風だったのが災いして服もびしょ濡れ。

風邪を引いてしまわないよう急いでいた。

いつも帰るときに通る公園に傘を差さずにただ上を見上げている女性がいたんだ。
傘を持っているにも関わらず、な。

俺は

「傘を差さないと風邪を引いてしまいますよ」

と話し掛けた。

その女性はどこといっておかしい点はなかった。
俺の話を聞くと、

「そうですね」
と言って傘を差し、何処かへ行ってしまった。



翌日のニュースをココアを飲みながら見ていると

【一昨日7/9日早朝○○県○○市で轢き逃げ事故発生
被害者の女性(22)は全身を強く打ち搬送先の病院で死亡が確認される】

と言った内容のニュースが流れた。

被害者の女性の顔写真が写されると、俺は飲もうとしていたココアをこぼしかけた。


───だって、その女性は昨日の雨の日に出会い会話を交わしたはずのその女性だったから。

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