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「ねぇねぇ三ちゃん、伊藤ちゃん何かあったの?」

「何で俺に聞くんだよ」

「だって…ねぇ?」

そう言いながら、チラリと視線を動かしたリコは苦笑いを浮かべた。
視線の先に居たのは虚空を見つめる伊藤
ワザと大きくため息を吐き出してから、三橋は休日に起こった出来事を掻い摘んでリコへと説明する
頷きながら話を聞いていたリコは、そんな事現実であるのね、なんて呑気に笑っていた

「それでヘコんでんだ、このカッパは」

机から白い用紙を取り出して伊藤の髪へと押しつける。髪の張りに負けたツンツンはへにゃりと曲がりそのまま形を保った。思わず口から空気の漏れた三橋は腹を抱えてひぃひぃと笑う。
本来なら紙を突き破るくらいの硬度を持つ髪は本人の気持ちに共鳴して弱っている様だ

「ちょっと三ちゃん、笑わないの」

「だって…ピョコって!」

垂れる髪を摘んだり突いたり、時には弾いたりして笑う三橋に落ち込んでいた伊藤は更に気分を下げる
見かねたリコは三橋と伊藤の間に割って入って彼を咎めた

「人が落ち込んでる時に笑うのは三ちゃんの悪いところヨ、伊藤ちゃん気にしちゃダメよ。いくら意気地が無くって押し切られちゃったんだとしてもそれは伊藤ちゃんの良さなんだから」

「…褒められてる気がしないよ」

項垂れた伊藤はそのまま机に突っ伏してしまった。
笑いすぎで過呼吸になりかけていた三橋は大きく息を吸い整えると、伊藤の前に座りツンツンと頭を突く
鬱陶しそうに顔をゆっくりと上げた伊藤へ頬に手を突きながら三橋は話し出す

「伊藤よぅ、なんでさっさと付き合えねーよバーカって言わなかったんだ?」

「…なんか、言えなかったんだよ」

理由はわからないけど、と言った伊藤はまたぼうっと虚空を見つめて溜息を吐き出す
リコと三橋は顔を見合わせて首を傾げる。揶揄って笑い済まそうとしていたのに其れにさえ乗ってこないなんて。
これは本格的に悩んでいる証拠だ

なんと声をかけるべきかと2人してヒソヒソと相談するが、結局良い終着点は見つからず。
この小さな会議はバタバタと足音を鳴らしながら教室へと駆け込んできた佐川によって中断させられた。

「三橋さん!今井が来てます」

「今井だァ?」

「なんか三橋さんに聞きたいことあるとかなんとか言ってましたよ!喧嘩する気はないから取り敢えず来いって」

「聞きたいことって何……」

今井といえば紅高、紅高と言えば…

チラリと伊藤を見た三橋は彼がまだぼけぇっとしていることを確認し渋々今井の元へと向かうことにした。
勘は当たる方だ、良い方でも悪い方でも。

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ハイキュー大好き!!(プロフ) - めっちゃ続きが気になります!!更新楽しみにしてます!! (2021年3月2日 7時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
奏菜(プロフ) - とても好きです!続きめちゃくちゃ楽しみにしてます!! (2020年8月13日 7時) (レス) id: acc6cf3fa0 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - 斬新な設定に最初は驚きましたが、すぐに物語に引き込まれてしまいました!2人はどうなるのでしょう、結ばれるのでしょうか…!続きが楽しみです! (2020年8月9日 17時) (レス) id: 72b9a547c8 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 伊藤くんと主人公がどうなるか気になります!! (2020年8月7日 23時) (レス) id: baa397239c (このIDを非表示/違反報告)
アホ犬 - うわぁめっちゃ好きです!!続き楽しみです! (2020年8月7日 1時) (レス) id: f5f8406621 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2019年11月11日 17時

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