【Connect.】Disconnect. (ページ8)

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アイドルはサンタになれるのか？【碧空】ページ8

「ね、アナタ。今日が何の日か知ってる？」
　「クリスマスイブだろ」
　「正解よ」

　番組の収録終わり。シュトウ放送局の楽屋にて、人気アイドルであるコネクティション・エナジェスクィックの二人は駄弁っていた。ちなみに、二人共コタツに体を入れて、時々机においてあるミカンを口にしている。シュトウ放送局の寒さ対策は手厚い。

　そして、今日はイッカクが言う通り、クリスマスイブだ。といっても限りなく深夜に近いクリスマスイブで、もうすぐクリスマスなのだが。
　そんな日になぜ家に帰っていないのかというと、クリスマスのイベント番組が詰まっているからだ。楽屋のほうが直行できて良い。それに、コタツや暖房にかかる電気代がもったいない。要するに、楽屋にいたほうが色々楽なのだ。

　「さっきまでクリスマスの番組撮ってたし。これからも撮るしな」
　「っていってもまだ6時間後だけどね。昼でもキレイって噂のイルミネーションを中継するの」

　ワタシは楽しみ、と新たなミカンに手をつけてコンテクストは言う。イッカクもミカンに手をつけつつ、イルミネーションは夜見るからいいのに、と思った。

　「しっかし、それまで暇だよな。ババ抜きしようにも、コニー弱いからすぐ決着つくし……」
　「そう言うと思ってた！」

　コンテクストは嬉しそうな声を出した。ババ抜きが弱いという言葉は右から左にすり抜けたようだ。顔を輝かせ、楽屋の隅っこにあるロッカーから安っぽい箱を取り出した。
　そして、その箱をコタツの上に置く。二人が放置していたミカンの皮は潰されてしまった。

　「なにそれ」
　「ワタシが事前にConecters Projectの参加者がいるGarageに置いてきた、欲しい物を書いてねって表示してた箱よ。この箱の中にあるものを買って、こっそりGarageにおいてきたらちょうど6時間くらい潰せるでしょ？さながらワタシたちはサンタクロースってことよ！」
　「無断で？」
　「無断で！」

　コンテクストは誇らしげに言った。無断でやって良いものなのか？とイッカクは訝しんだが、黙っておいた

　「本当にそれが6時間で済むのかはともかく、面白そうとは思うが」
　「じゃ、早速見ていきましょ！」

　コンテクストは発泡スチロールの箱の上に部分を殴って穴を開けた。机に発泡スチロールの破片が飛び散る。イッカクは残っているミカンを避難させた。この穴から紙を取り出す、ということらしい。

　「もっと他に開け方無かったのか？絶対あっただろ、発泡スチロールとミカンが混ざるところだったぞ」
　「手っ取り早くていいでしょ」

　イッカクの文句を受け流しつつ、コンテクストは早速1つ目の紙を取り出した。